1週間の感想_20240218-20240224

文月
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今日やるべきことは今日やるべきだ。

今回の振り返りでは、スタンプ(未解決・問い・課題)を押した投稿に対して少し掘り下げてみる。ひとつかふたつピックアップ出来たらよかろうと思う。

読点問題

大正元年刊行の『死か藝術か』では歌の中に入っていた読点(「、」)を、全集収録版では撤廃している件について、疑問を残している。

自分が採歌基準用として使っているのが日本図書センター刊行の『若山牧水全集』(第1巻)で、これの収録基準は「出版されたもののうち最も新しい表記」である。

大正元年刊行=初版の『死か藝術か』と、全集の『死か藝術か』で差異があるということはどこかのタイミングで改訂がなされているということだ。つまり、牧水が、この歌はこのほうが良い、として読点を取ったものが19日の歌で、読点を残したほうがよいとして改訂を入れなかったものが18日の「手を切れ」の歌である。

この差異はなんだろう。読点を取りたくなったものと、取らなくてもよいとしたものの差異は?

19日時点で仮置きで検討しているのは

  • 視覚的効果のため

  • 読み方への影響を与えるため

だが、他にも理由がありそうじゃないか?そして、全部が全部当てはまるというわけでもなくて、読点を取り除くか残しておくかの判断をするときに、メリデメを検討したうえで選択しているような気もする。当てはまるものと当てはまらないものがそれぞれあるんじゃないかという話。

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というわけでこの週は「読点なんなん?」という疑問であふれていた。

実際、大正元年刊行版の『死か藝術か』はかなり読点が入っている。(ちなみに句点(「。」)はほぼない。多分ゼロ)

刊行当時、つまり作歌当時に何を思って読点を入れたかは、時代背景とかがありそうなので周辺の調査、同時期の歌人の作品や、文壇の様子などを知る必要がありそうだ。

改訂当時、つまりどのタイミングでそれを改訂したかどうかは、多分経時的に追っていかないといけない。増進会出版社の全集の「補巻」は異同についての一覧があるが、どの時点で改訂があったかどうかは明記されていなかったと思うので、それはどう調べていくかの方法も含めて検討をしたい。

来週も謎を引っ張り出せるといい。