この記事は「検索・発見プロダクト 全部俺 Advent Calendar 2023」の3日目です。(それを9日目に公開しているという...日付完全無視...)
そもそもの検索・発見体験が何かというのはこちらのノートをご参照いただければと思います。
ここでは自身の経験を振り返って、どのような視点で検索・発見という体験を見ていたかを振り返ります。
この記事では「利用者の視点」と「研究者の視点」について書いてみます。長くなってしまったので、「ビジネスパーソンの視点」や「エンジニアの視点」などは別の記事にしようと思います。
利用者の視点
最初にインターネットに触れたのはたぶん小学生くらいの時だったと思います。確か最初に触れたのはInfoseekだったかな。当時の印象は「なんかキーワードを入力すると世界中のWebページとつながるすごいやつ!」だったと思います。
その後、GoogleやYahoo!が出てきて、便利さをひしひしと感じていました。Yahoo!のディレクトリ型検索(=いくつかのカテゴリを作って、そこから分け入って探していける検索体験)には感動しました。実際のところ、このディレクトリ型検索はあまり流行らなかったわけですが、この後大学で勉強する図書分類法なんかと合わせて私は結構好きでした。
利用者として、これらのサービスに対して「知りたい!」に答えてくれる、最高のプロダクトだと思ったわけです。(当時はプロダクトなんていう言葉も知らなかったのですが。)
検索・発見体験の根本的課題と考えている「〜について知りたい、見つけたい、気になる。」というモチベーションと、それが達成された時の「すげー!楽しい!嬉しい!」という感覚、これがもしかしたら私のプロダクト開発の原動力かもしれません。
研究者の視点
大学では図書館情報学という分野を勉強しており、検索や発見といった体験には興味がありました。もともと、本を読んだり、Webページを見たりが好きだったので、「世の中にこれだけ多くの知識や情報が溢れているけど、全部を知ること、もしくは俯瞰して見渡すことってできないのだろうか。」という純粋な知識欲が図書館情報学と出会うきっかけでした。
図書館情報学とは、知識や情報をいかに集め、整理し、利用可能にするかという問いを、図書館や人といった社会的な視点から研究する学問で、図書館はもちろん、本というもののあり方から web 技術、知識の編成と表象の形態、専門語彙の構成、さらには翻訳論まで、幅広いテーマが共存する学際性があります。
大学院では、昔から好奇心が強かったためか、誰かが「これ知りたい!」と思った時にどうすればその人が満足するのかというところに興味があり、そのへんを研究していました。そのへんというのはレファレンスサービスという質問回答サービスでの受け答え方やその時に提示すべき情報などです。
研究と並行してIT企業でエンジニアやデータサイエンティストとしてインターンなんかをしながら、検索や推薦などの技術領域も勉強してました。私が特に感動したのは「自然言語処理(マルチメディア処理)」と「ランキング・マッチング」です。
言語(や画像など)という曖昧なものを計算機科学でよしなに扱う方法が研究されていて、数学の世界の道具が適用できるというのは大変な可能性を感じたものです。また、ランキング・マッチングでは、順位をつけることの奥深さとそれが担うマッチングという本質が胸を打ちました。特にページランクアルゴリズムはだからGoogle検索は頭が良いのか!ということを理解でき、(ちょっっと後ですが)ゲール・シャプレイの安定結婚問題は実社会の課題をマッチング問題として正確に定義して解法まで与えているのが大変素晴らしく感じました。
私のバックグラウンドから来る研究者的な視点で見ると、検索・発見体験は
世の中に溢れる大量・多様な情報や知識を収集・整理して見つけられる仕組みを作る
現実世界の人間が情報ニーズに基づいてそれを解決するプロセスをモデル化する
そうした行動モデルの課題を数学的に解ける形に落とし込んでその解法を探す
という3つの側面があります。
それでは、今日はここまでです。