八月一日

灼熱のアスファルト。朦朧とする肩書。ビルの谷間には座標が必要だから、ぶっきらぼうな規則で星座を描く非科学的空想。病院の窓から少女が手を振っている。そんな記憶は汗に濡れて読めなくなっている。だからぼくたちは自分に眠る原風景を捜そうとする。それは八月にこっそり開催されるお祭りである。

@furuihasami
日記のようなそうでないような散文を書きます。筆名は小川未明の作品から。これまで書いた韻文は slib.net/a/26091