高揚感を強要される。それが正しい八月の振る舞い。だけどそれが息苦しくて逃げたいと思っていた。高校生がいなくなった通勤電車のなかで好奇心の悪魔がささやきはじめる。やがて情動的なメッセージを残して悪魔は去って行くが、ぼくは歩き出さなければいけない気分になる。行き先も手段も用意されていないのに。快楽は自らをみつけるところから始めろ。悪魔の色じかけ。ぼくは落ちてしまう。闇雲になにかをさがしてしまう。あるいはだれかを。

日記のようなそうでないような散文を書きます。筆名は小川未明の作品から。これまで書いた韻文は slib.net/a/26091