釣瓶落しは秋(三秋)の季語である。立秋を迎えたのだから季語としては当季となる。立秋といわれても、現実を見て実感が湧くわけではない。ただ、それまで日没後なかなか西の空が真っ暗にならなかったのが、8月に入ると日没後真っ暗になるまでの時間が早くなったような感覚はある。この時期に秋の季語を並べても違和感しかないけれど、釣瓶落しという季語に関してはは実際の季節感とあまり差がないように思う。
でも、多くの人がそのことに気づくのはもう少し先のことかもしれない。ぼくたちはまだ、夏の魔法の中にいる。その魔法がなかなかとけないひともいるし、とけて欲しくないひともいる。ぼくは魔法使いではないけれど、夏の魔法になにかを期待してしまっている。