コーラばかり飲んでいた。別にそこまで好きなわけじゃないけれど、あの夏の日を忘れたくなかったから。喉が渇いていたぼくに、きみは飲みかけのコーラのペットボトルを渡してくれた。なにもなかった街に風が吹いた瞬間だった。街が秋を迎え、雪に閉ざされるまであっという間だったけれど、ぼくは今でもあの夏のコーラに溺れている。

日記のようなそうでないような散文を書きます。筆名は小川未明の作品から。これまで書いた韻文は slib.net/a/26091
コーラばかり飲んでいた。別にそこまで好きなわけじゃないけれど、あの夏の日を忘れたくなかったから。喉が渇いていたぼくに、きみは飲みかけのコーラのペットボトルを渡してくれた。なにもなかった街に風が吹いた瞬間だった。街が秋を迎え、雪に閉ざされるまであっという間だったけれど、ぼくは今でもあの夏のコーラに溺れている。