詩集をいくつか捨てようと思うのだけど、お気に入りの詩に貼ったふせんが多く、剥がす作業だけで随分と時間がかかった。
もう好きではない詩
まだ好きな詩
まだ好きな詩
もう好きではない詩
もう好きではない詩
まだ好きな詩
何かを新たに好きになるとき、それと心は呼応している。そのときの自分の好きなことや好きな人、大切にしているものたちと響き合って、ものすごい力で呼び寄せあっている。好きなものを好きじゃなくなるのは少しさみしい。それは何かを失ったってことだから。前までは呼応していた心の中の何か。
捨てる本が部屋の真ん中に積み上がっていて、何やら不服申し立てをしているようにも見える。もう好きではなくなった詩が、誰かの手の中で好きな詩としてまた生まれるように、捨てるのではなく売ることにした。葉書などが挟まっていないか気をつけて。