今年のまとめ

garasubo
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去年はブログシステムが壊れて書きそびれたが今年はすこし書いてみたい。例によって政治的な意見等もやや入るので苦手な人はブラウザバック推奨

買ったもの

今年は作業環境を整えるためにやや奮発していろんなものを買った

Ergohuman PRO2 High Type

ワーキングチェア。今までIKEAかなんかで買った1万くらいの適当なワーキングチェアを使っていたが、腰を痛めることが多くなってきたので(椅子のせいではなく運動不足の面も大きいとは思うが)購入することを決断した

大塚家具の新宿店にワーキングチェアのショールームがあり、そこで品定めしてこのErgohuman PRO2のランバーサポートの感じとHigh Typeにあったヘッドレストが気に入った。フットレストはあまり展開してくれなくて使い心地が微妙そうで、あんまりほしい機会もないかなあと思いないタイプを選択。メッシュ生地の座面なので夏でも蒸れにくい。買った製品は運悪く初期傷があったのだが、幸いすぐに交換対応してくれたので良かった。交換商品をその場で組み立ててくれたヤマト運輸の方々に感謝

いいワーキングチェアは20万・30万する製品も珍しくないなかで、まだ手頃な値段の方である。それでも10万を超える値段がするが、ニトリに似たような構造のワーキングチェアが売っていてこちらは3万円以下で買える。本物は金属フレームでやや重量があるが、こちらはプラスチックでできていて軽い。ショールームで試した感じかなり悪くない印象を受けた。いいワーキングチェアを試したいがお金が…という方はおすすめかも

MSI PRO MP341C

いわゆるウルトラワイドの曲面ディスプレイ。前は普通の4Kの巨大ディスプレイを使っていたが、画面上部・下部の領域が使いにくく首が痛くなるのが難点だったので、画面サイズこそやや小さくなるもののこちらの曲面ディスプレイの購入を決定。さらにモニターアームも併せて使うことにした

モニターアームを使うとモニターの下の領域にものを置けるようになるので便利

モニターの画質などは問題ないが、内臓スピーカーの音質がかなり悪く、スピーカーを外付けすること推薦。アナログ端子がついているが、そこにスピーカーを指すとスピーカーから高周波ノイズが乗ることが多く、たぶんUSBタイプのものを使うのがいいと思われる。

Surface Pro 9

使っていたノートPCがだいぶ古くなったので出先で使うPC兼タブレット端末として購入。SSD256GBでメモリ16GBのモデルを選択。Surface Penとキーボードもセットで購入。

キックスタンドで画面の角度が固定されるのでノートPCのように画面の角度を変えるのが難しいのがやや難点ではあるが、他はまあまあというところか。まだ使い勝手に慣れていなくて特にタブレットとして使うときの挙動がよくわからない

外付けインターフェースとしてType-CのUSBしか出ていないのでType-Cハブも購入。よく接続部のケーブルが壊れやすいという噂を聞いたので取り回しやすさも考慮してこちらのC to Cケーブルが分離できるタイプのものを購入した。

レビューを見ると付属のType-Cケーブルへの不満が多く、確かにやや硬めで取り回しにくいケーブルなのだが、そこはもともと別で買うつもりだったので特に問題はなさそう

GeForce RTX 4070

最近流行りの各種AIモデルを手元で動かしたりあわよくば学習もできるようにと強めのGPUを購入。現在は自作PCで使っているのだが、現在の電源と筐体ではこれ以上強いものを積むのは難しいと店員に言われたのでこれに決めた。とはいえ最近のLLMはこの程度のご家庭用GPUでは動かすのが難しいのが厳しいところ

今年やったこと

去年転職して今年は2年目ということでぼちぼちやっている。最近強く感じるのは、前職で当たり前のようにやっていた開発の流れというのは実は当たり前ではなく学びが多かったなあということである。

今の職場ではいわゆるスクラム開発を実践しているが、まだまだ手探り状態で試行錯誤しながらやっている。どうすればよいプロダクトになるか、そもそもよいプロダクトとは何か、円滑にチームコミュニケーションをとるためには、コード品質とどう向き合うかなどなど。転職動機としてはエンジニアとしての技術力を上げることではあったが、技術力を活かすにはいわゆるソフトスキルが伴ってこそなのだと強く感じた。

また、今年のRust.Tokyoでは今会社でのRust活用事情を話すなどした

外部への技術発信という意味では、Zennのほうへの技術ブログは今年は5本しか出せていなくてかなり寂しい

最近続いている試みとしてはestie主催のRust勝手にリリースパーティーというイベントで毎回解説役(?)として出演している。

これはRustのリリースノートを見ながらふーんとかへーとかいう配信で、これを機会にRustの新機能がどういったものかを事前にある程度調査しているので、いい刺激になっている。次の1.75.0は年末ということもあり多分配信しないけど、次のバージョンではやると思う。

他はプログラミングコンテストとしてISUCONとICFPCに出たが、ともにいい成績を残せず難しかった。ICFPCは大学時代の同期と出ているのだが、最近はフル稼働が難しいメンバーがいたりもする事情もあるが、そもそもチームとしての動きがよくないことを前々から課題に感じていて、なかなか解決策が出ていないなあという感じ。ISUCONは毎回メンバーが変わっていて、そもそもチームとしての蓄積がないのが難しい。個人レベルでのノウハウもまだまだ改善の余地があるので、来年も開催されるのであれば反省を十分に活かしてよく準備を練りたい。

他には東京大学の品川研究室でハイパーバイザーの研究手伝いをしている。成果としては品川研究室で独自開発しているハイパーバイザーのRaspberry Pi対応を進めたことと、最近はネストされた仮想環境のベンチマーク計測を整備している。今まで趣味開発に割いていた時間をこちらに割くようになったため、外部に見せられる成果はやや減少してしまったかなあ、という一因だったりする。

とはいえ、全体として最近のインプット・アウトプットはやや減少傾向にある気がするので、来年はもうちょっと上げていきたい。

また、副業等についても対応するキャパシティはある程度あるため、興味ある方は相談してもらえると嬉しいです。

プログラミング以外の趣味

最近は究極のデジタルカードゲームこと遊戯王マスターデュエルをプレイしていて、今年は結構環境トップクラスのデッキも積極的に使うようになりイベントでもある程度上位を目指してやりこんだりした

遊戯王は昔は紙のカードをちょっとだけ触っていたが、最近は対戦相手もいないし、カードを集めたり管理するのが大変だったのでやっていなかったのだが、デジタルでできるとなってその辺の悩みなく好きにデッキを組めるようになって楽しい。

よくインフレが激しくソリティアとか批判が多いものの、やはり上位で勝ち抜くためには様々な駆け引きが存在していて、そこを見極めようとすると考えをいろいろめぐらせなければならず楽しい。たかがゲームとはいえど、極めると見えてくる景色もあるので来年もそれなりにやりこむと思う。興味のある人、ぜひデュエルしましょう

考えたこととか

今年一番の衝撃は生成AIの進展でしょう。ChatGPTにStability Diffusion等の登場は非常に衝撃的だった。ChatGPTやGitHub Copilotは仕事でも使っていて、ちょっとしたスニペット生成だったりコード補完の能力はなかなかである。Stability Diffusionも触っていて、様々なイラストを生成させて個人で楽しんでいたりする。冬は寒いのでStability DiffusionでGPUを酷使して暖をとるのがおすすめ

これら生成AIはSNS等で騒がれやすく、やれプログラマー廃業だイラストレーター廃業だなどいわれていたりするが、そんな時代は当分来ないと考える。

プログラミング能力という観点では確かにChatGPTやCopilotの補完はなかなかに素晴らしいが、それはありきたりのコードパターン生成に限った話である。少し変わったことをしようとすると見当違いなコードを生成するし、Copilotでいうと型情報の活用が下手なのか存在しないメソッドを平気で使おうとする。まだまだ論理的整合性をとるという点で能力不足を感じる場面が多い。仮に今後モデルが進歩して論理的整合性の能力が向上したとて、プログラマーの真価はコードを書けることではない。いいプロダクトをつくるため、どういうコードを書けばいいかを考えることも同じくらい重要なことで、言われたとおりにコードを生成できる程度ではプログラマーは廃業しない。単にどうやってコードを書くかが変わるだけである。まあ、それでも変化としては十分にインパクトのある話で、今まで典型的なコードでも自分の知らない分野となるとメソッドを調べたりライブラリを調べたりとなかなかに手間だったが、そこが生成AIを活用することで大分手間が減るシーンが仕事でも多くあった。

イラスト分野も同様で、確かにぱっと見ではきれいなイラストがたくさんつくることができるのだが、同じモデルを使っている限り出力される絵のパターンはどうしても典型的なものばかりになってしまう。また、細部の体の構造だったり衣装の構造は素人目でも明らかに破綻しているものが多い。構造的な破綻は今後モデルの進歩で改善するにしても、出力される絵のパターンの独自性とかは単なるtext2imgでは解決不能なはずで、一流イラストレーターと張り合うにはどういう構図がいいのかとか、ありきたりのデザインからの脱却とかを自力でやらなければならず、そうするとある程度の画力・デザインセンスは求められる。今でもAIを活用していい感じのイラストを出している人は少数ながら存在していて、そういう人はもともとある程度画力もあったり、モデルをいじったりほかの手法を組み合わせるなど単なるtext2img以上のことをしていたりする。今後はそういう生成AIを部分的に活用しつつ独自のイラストをつくりだすイラストレーターというのはある程度出現してくると思う。

生成AIについては根強い反対意見も多く、特にイラストレーター界隈の反対運動はそれなりに著名なイラストレーターも声を上げるなどして大きい。ただ、イラストレーター界隈の反対意見は技術の無理解からくる意見も多く、そこは技術者としてはもやもやとしてしまう。例えば生成AIは既存の絵をコラージュして作り出す(実際の原理はまったく違う)とか、某イラスト投稿サイトがクローラー対策をしていない(実際は考えうる有効そうな対策はすべて実施済みだった)として投稿していたイラストをすべて非公開にするとか。法律的な解釈もまだまだ意見が分かれるところのようで、諸外国の動向も現在進行でわかれているところであるが、個人的には生成AIは今後も発展するし合法的な存在になるのが妥当なところだと思っている。著作物の学習行為そのものを違法だというならば、今まで検索エンジンや機械翻訳がやってきたことはどうするのかということになるし、そもそも人間だって有料の著作物から学習していてその境界はどこになるのかという話になる。たぶん問題になるのは生成したものへの責任だったり、生成モデルとかの扱いになってくると思う。例えばAI生成物にどこまで著作権が認められるかとか、配布された生成モデルが著作物にかなり類似しているものを生成してしまったりとか、あえてそういうことを狙った生成モデルはどう扱われるべきなのかとか。

そんな中でゲーム会社のレベルファイブでの事例はかなりおもしろいなあと思った

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ai_kentoukai/gijisidai/dai4/siryou1.pdf

イラストの原案を生成AIにつくらせたり、シナリオのアイデア出しに使ったりと、かなり踏み込んで使っているように思える。

来年に向けて

  • もっとインプット・アウトプットを増やす。できれば既存分野だけでなく、新しい分野に手を出してスキルを身に着ける

  • もっと積極的に人間とコミュニケーションをとる

@garasubo
泥水をすすり生きる