昨日からぶっ通しでNetflixの『三体』全八話完走してしまいました。
本当に面白かった。
ただ、シーズン1ということでまだ続きがあるらしく、早くシーズン2を放映してほしくてたまりません。
とりあえず小説読むかな…
ちょっとネタバレしながら思ったことを日記に書き留めます。
この『三体』の大筋は人類vs宇宙人です。
宇宙人は三体星人と呼ばれていて、3つの太陽に囲まれている過酷な星から移住するために地球に侵略しています。
ありきたりな構図ですが、その二項対立に至るまでの説得力が、これまで見てきたSFの中で群を抜いたのが個人的に推しポイントでした。
私なら、超遠いところから来た超頭いいエイリアンに「地球攻めたろw」って言わせるくらいしか思いつかないんですが、この作品は違います。
まず、過去編の主人公が人類に絶望するところから物語は始まります。
第一の主人公が敵側です。わお。
中国人である主人公は、物理学を専門とする学生でした。父親が物理学者で、主人公はその一番弟子。当時では珍しい英語が話せる知識人の女性でした。
しかし文化大革命のさなか、危険思想の持ち主だということで、主人公の目の前で父親が処刑されます。革命を叫ぶ人々にリンチされる姿は、生々しくむごすぎました。
それから主人公はモンゴル開拓のため強制的に労働させられました。そこでも人間の都合により破壊される自然を見、主人公はさらに絶望感を深めました。
ここで出てくる「沈黙の春」が痛烈なんですよね。
その後、紆余曲折あり、物理学の才を見込まれて、主人公は地球外生命体との交信を試みる国家の極秘プロジェクトのメンバーになります。巨大なアンテナを使って、生物がいるとも分からない宇宙にメッセージを飛ばし続け、ひたすら応答を待ちました。
数年ののち、地球外生命体から応答がありました。主人公はただ一人、そのメッセージを確認しました。彼らの言葉に敵意はなく、「私は平和主義だ。このメッセージには応答しないこと」という、人類を尊重し、侵略を回避しようとするものでした。
ですが、主人公は警告に反して「来て、我々の星を侵略してほしい」という返事を送りました。
この始まり方がもうほんと鳥肌すごかったです。
私は主人公に共感しかなくて、同じ立場なら同じように願っていただろうと思います。
それに、誰しも一度は隕石が落ちてきて人類滅びないかなと思ったことがあるはず。破滅願望というんでしょうか?だから、本当に宇宙人がいたとしたら、そういう「誰か」のせいで滅びるんだろうなあと予感しました。
感想書いていてふと思ったのですが、文化大革命が毛沢東による権威主義だったように、宇宙人による支配もまた、権威主義的構造ですね。聡明な主人公をもってしても行き着く先は同じ、結局人間は愚かだというアンチテーゼなんでしょうか。
夜中になっているので色々考えてしまいます。
とにかく良い作品に出会いました。Netflix入っていて良かった。