足跡を剥がす

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15年履いてる靴が修理から帰ってきた。高校の時に個人で輸入してる靴サイトから買った100周年記念のコンバースオールスター。今調べてみたがコンバースのまとめサイトですら引っかからないたぶん希少なモデル。偶然エウレカな感じで見つけて、初めて自分の金で買った靴。

当時はでかい靴を履く風潮を何故か感じていて、封神演義ほどとは言わないが、キングダムハーツくらいが理想系だったような気がする。もちろんそんなの履ける訳がないのでほどほど身の丈に合わない靴を履くことになる。キングダムハーツは流石盛りました。たぶん気のせい。

幾ら紐で調整できるとはいえ、サイズの合わない状態で履き続ければガタがくるもので、大学の時には屈曲部のラバーが崩壊を始めていて、あまり使える状態ではなかった。たまに履いていたけど。

いつか修理できないかなぁ、と思いずっと箪笥の肥やしにしていた所、いい感じのカスタムショップを見つけて依頼したのが大体3年前で、ほぼ十全の状態で帰ってきた。

今回はインソールがボロくなって、つま先が剥がれるようになってしまった。気になって全部はがしてしまったので修理出すことにした。剥がしたインソールには、しっかり自分の足の形が残っていて、15年分の足跡が十重二十重に連なっていた。

今回は中敷に3mm厚のヌメ革を仕込んでもらうことにした。インソールが3mm増えると靴の長さは大体10mm以上短くなるのと同じ効果がありオーバーサイズの改善が見込めるのと、ヌメ革は非常に吸湿性が高いので足の蒸れをなくしてくれるという話を聞き、好奇心での構成である。

依頼した職人の腕がよく、大変綺麗に仕上げてくれて本当に嬉しい。

職人の方はオリジナルの靴を作成しているということなので、夏のボーナスで依頼しようかなぁという気持ちになった。

12月に約2年間続いた完全テレワークが終了し週3日出勤になった。そうすると必然的に対面でのコミュニケーションが増える訳で、2ヵ月たった今、本当にメンタルの不調を訴えている。他の人は本当に悪くない。接してくれる人は本当にいい人ばかり。

おれが駄目。

空回りしているのを感じる、でもコミュニケーションを取らないと円滑な仕事は出来ない。能力のないおれが独善的に仕事をしようものならば全てが崩壊する。

もちろん仕事を捨てれば全然問題ないのだが、ある程度仕事ができるという社会性をひけらかしたいという煩悩が精神の8割程度を支配していて、その感情がより自分を追い込んでゆく。負のスパイラル。どんな歩みを進めればこんな精神になるのか、中敷をひっぺがした時に一緒に剥がれてくれればよかったのに。

だが、本当のことは過去にしかない。

ならば、過去の思い出は大切にするしかない。たとえどんなことでも。

今日も、突如過去がフラッシュバックしてきてうわああああああああああああああああと叫びたくなる一瞬を乗り越えて生きよう。懸命に。