まだ調査を始めたばかりだが、探索が苦しくなってきた。理由はふたつ。
名前のないものごとを記録するのが難しい
誰にも会わずに孤独に調査するのがつらい
前者の対応として、目にしたものに仮称を付けることにした。正式名称がわかるまでは、自分で付けた仮の固有名詞には(仮)を付記する。
河畔区画(仮):流れ者内部にある、川の流れるエリア。教会のような建物に描かれていた壁画から、流れ者は生活用途ではなくどこか別の目的地へ旅するための一時的な居住用途であるように感じた。そこから転じて「方舟区画」と呼ぶ案も考えたが、ちょっと気取りすぎかと思いこちらに。
エアロック:流れ者の表層部から河畔区画(仮)に入る時に光で操作する小部屋。
社殿(仮):エアロックの奥で一番最初に見た木製の建物。流れ者に、深宇宙衛星の方向から向かって侵入したときの河畔区画(仮)への出入口。
太陽側の岸:河畔区画(仮)に流れる川の、太陽や緑の風車がある方向の岸。
外宇宙側の岸:太陽側の岸の対岸。社殿(仮)がある方の岸。
枝角文字の民(仮):河畔区画(仮)に写真(肖像画?)が飾ってある、二本角を持つ種族。Nomaiにも枝角があるが、ここの住民は文字もツノツノしいので、文化に敬意を表してこう呼んでみる。
孤独な調査がつらい件は……本編でSolanumに会えたし、きっとDLCでも枝角文字の民(仮)に会えるんじゃないだろうか。それまではHearthianの先輩方の顔を見に寄り道しつつ進めてみようと思う。
Extra loop 11
太陽側の岸の低地に上陸した。
建物内に、宇宙の眼を模した大きな看板が落ちていた。実際の信号を模しているとはいえ、Nomaiとまったく同じシンボルを使っているのが興味深い。異なる文化をもつ集団は表現や技術にも差が出るものと思うが、宇宙の眼だけどちらもやたら写実的に寄っているのが不思議だ。
枝角文字の民(仮)も宇宙の眼を探していたのだろうか。いったい何のために?
建物のそばではジェットパックの燃料を補給することができた。
宇宙の眼の看板以外に目新しいものが見つけられなかったので、再度川に漕ぎ出した。中洲にいくつも建物がある区画に流れ着いたので、その中で一番高い建物を目指して歩く。
建物の屋上には角が生えていた。枝角文字の民(仮)、自分たちの角が大好きだったんだな……。高い建物は前回別の場所で見た教会と内装がほぼ同じで、しかしこちらにはまだ光を灯せるランタンがあった。
中洲の建物は、互いに木製の階段や通路で連結されていた。通路をショートカットしようと飛び降りたところ足を踏み外して川に落ちた。横着は敵。まあ流されてみるか、と流れに身を任せていたら、川の中に張られていた電流(?)の流れるロープに当たって感電死した。
Extra loop 12
前回流れ着いた中洲にある地区は、航行記録上で燃え殻諸島と名付けられていた。宇宙の眼のシンボルが落ちていた部分も燃え殻諸島に含まれるようだ。
今回はひとまず河畔区画(仮)を一周することにした。周囲を伺いつつもひたすら前進していると、やがてダムの壁までたどり着いた。近くにあった建物には通行止めの看板がかけられており、あまり自由に探索できそうにない。ダムの壁の上には通路がありそうだった。イカダを壁の向こうに運んでくれそうなクレーンがあったので、運んでもらっている間に壁の上に飛び降りた。
ダムの壁の上からは流れ者の入り口に戻ることができた。太陽側の岸の方向に歩いていくとエレベーターがあり、降りて道なりに歩くと気付けば流れ者の着陸ポートだった。
途中には、展望台付きのミーティングルームがあった。
テーブル上の模式図を見るに、枝角文字の民(仮)は、太陽のエネルギーを得て太陽系から脱出しようとしていたらしい。河畔区画(仮)は映画のセット、もしくは生物種や歴史資料の保存なんかを目的とした意図的な「自然」のように見える。河畔区画(仮)外の施設の方が、枝角文字の民(仮)の普段の生活というか、息遣いを感じられるのが不思議だ。
で、なんでこの天体にはいま現在、生き物が全くいないんだ?枝角文字の民(仮)はいなくとも、何かしら生物が残っていても良いじゃないか。しかし骨すら見つからない。
ダムが決壊した音が聞こえた。河畔区画(仮)に戻り、太陽側の岸、壁ギリギリの崖の上を伝ってみたが目新しいものは見つけられなかった。付近の建物は水没していた。そのまま時間切れとなった。