映画「哀れなるものたち」それはみんな

ginfizz
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2024年は月に1回は映画館で映画を観るのが目標。

1月は「哀れなるものたち」。

主人公ベラの成長物語。

論理だけでなく感情を身につけることで、人として向上していく。

最初はカタコトの話し方、ぎこちない動作。

次第に洗練されている様がとても素敵。

ベラは父(本当の父ではない)であるゴッドが用意した箱庭の世界から飛び出す。

彼女を冒険に連れ出したのは、色男のダンカン。婚約者のマックスは、心かき乱されながらも彼女を送り出す。

ベラが冒険で直面するのは「女性」という自分自身の性。そして良識を知り、自分事実がそれに当てはまらないことを知る。

それでも自分の幸せが何かを考え抜き、手に入れる。

ゴッドは感情がある故に、自身の父とは異なる科学者となり、ベラに父性を抱くのが素晴らしい。

マックスのベラへの献身的な愛と大きな許容の心が素敵だった。

ダンカンは典型的な色男だけれど、ベラに心奪われ、仕舞いには財産まで無くす様は滑稽だった。

この世界の良識とは、固定観念と偏見。

でもそれは既視感のあるもの。

その中で自分の幸せを手に入れたベラは、とても素敵。

そして圧倒的な映像美が素晴らしかった。

スチームパンクっぽい世界を時にモノクロームで、時に極彩色で描き出している。

奇抜に見える衣装や街並みなどのデザインも、世界全体で眺めると調和が取れている。

141分という長さが気にならない作品。

@ginfizz
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