虎翼日記(3週目)

五月ふみ
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疎ましき女のからだ鵯鳴けり

カフェーとは「ラクな仕事」や秋灯

歌女鳴くや父の反論遠ざかり

法廷に好意と悪意文化祭

かなかなや断髪の手に鈍き音

抛げてまた拾う札束秋時雨

小鳥来るされるまま着る割烹着

手から手へ小皿ゆきかう秋の昼

鍋をゆく木べら重たし秋思かな

小豆煮る改変されし法廷劇

腕すべて受けとめるため吾亦紅

秋深し三陰交に寄り添う手

卒業の階段降りる五人かな

花束や卒業生の目の真直ぐ

入学の五人ゆっくり歩きだす

一話一句増刊号でした。

だれひとり置いていかないという、制作サイドの強い意志を感じる15話でした。

@gogatsu
ごがつ ふみ です。 俳句を作ったり読んだりしています。