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失って得て無月の火傷痕
本心を無月の空に晒したる
それぞれの正義ありけり秋の滝
秋思とは紅茶に沈むジャムのいろ
掌のあまりに小さし秋薔薇
墨の香の半紙掲げて大旦
*
したくても(してあげたくても)できないことがこの世には山のようにある。それならばせめて、居る場所でできることをやっていくしかないのだな…。
本筋とは関係ないが、轟(雷)とよね(米)がパートナーを組んだことで、名前に託されたメッセージを勝手に受け取った気になり、思わずアーッと叫んだ。花岡は「花」だからな…『花束みたいな恋をした』の絹ちゃんと麦くんじゃないけど、そういうイメージで受け取った。
花岡の妻が、花岡のことを話すときに「夫」と言ったことにちょっと驚いた。「主人」ではないのだな。この時代の女性として、かなり自立した印象を受けた。