虎翼日記(第19週)

五月ふみ
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公開:2024/8/10

手に背の記憶残りぬ冬の夜

セーターの裡のからっぽ血が滲む

湯気立ての音を分けたる二人かな

肉筆に声滲みけり春の月

春驟雨やみてしずかな水溜り

火曜日、みさえのまえに現れた優未を寅子が慌てて引き寄せるシーンがあったけれど、あの場ではああするしかなかっただろうなと思う。直前に「なぜ人を殺しちゃいけないのか?」と問いかけるような女だよ…?

全方位に愛のある寅子だけど、どうしたって偏ってしまうことはある。寅子が全部を背負い込む必要はないんだよ。

金曜日、廊下できょどきょどと間合いを計っていた航一がよかった。はたから見たらすこし滑稽でも、本人たちが、いま幸せならそれでいいんだ。

@gogatsu
ごがつ ふみ です。 俳句を作ったり読んだりしています。