口癖を引き継ぐ子らや霞草
春の朝記章しずかにかがやけり
朧夜や家族写真の故人の眼
春の昼訴状に知己の名前あり
原告の名を一人ずつ霾ぐもり
花過ぎの言い分ひとつずつ聞きぬ
夏深しゆるく重ねし掌
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「あの戦争はなんだったのか」。
昔読んだ『オシムの言葉』に、「戦争から教訓を得てはいけない。戦争から教訓を得たら、戦争にも意味が生まれてしまう」というようなことが書いてあり、教科書やテレビで「戦争から平和の尊さを学ぶ」的な言葉を浴びて育ってきた十代のわたしはとても大きなショックを受けた。
戦争はなにも生まない。なにも与えない。
残り6週、同居問題、結婚制度、夫婦別姓、そして原爆裁判と盛り沢山だがきっとひとつずつ丁寧に映像化してくれるものと期待している。