ずぶぬれの木曜日

 今日は帰路の際、雨に降られた。ざんざんぶり。どしゃぶりだった。皆も同様に想定外の雨だったのか、周囲にお仲間がたくさんいた。久しぶりに濡れ鼠となって帰宅。途中のコンビニとかで雨具を買えばよかったじゃないか。と思われるかもしれないが、もう遅いと言うか今更感というか。それくらい一気に雨を被った。傘をさしながらもビッチョリ濡れてる人がいたらそれこそ変人だ。ちなみに移動手段は徒歩ではなく二輪車だったのでどのみち傘は買えない。手荷物が無事だったことだけ幸いだ。

 帰宅中に頭を過った作品がある。私の愛する作家の一人にエドワード・ゴーリーという奇鋭作家がいる。その作品の一つに"The Sopping Thursday"というものがあり、邦題は『ずぶぬれの木曜日』。今日がまさにそうだった。今日は木曜日。無性に読みたくなってきた。

 帰宅して風呂に直行し、適度に夕餉を済ませて落ち着いたところで本棚から件の本を取りだした。傘を失くした男、賢いブルーノ、傘に閉じ込められた子ども…もしかしたら街のどこかにいたかもしれない。いや、傘に閉じ込められた子どもは居ない方がいい。川に流されそうな子供もいないほうがいい。雨が好きと言ってる人がいるくらいが丁度良い。

 雨に降られたのは散々だったが、そこから繋がる作品があるというのは私にとって大変幸せに感じることだ。そうなると今日は良い日だったとも言える。だが頻繁に濡れ鼠になるのも些か面倒であるため、生活改善として二輪に雨具は常に積んでおこうと思う。