
ロームシアター京都公演の抽選チケットは落選し、歯ぎしりしながら仕方なく当日は労働に出た俺こそが最も気高い人間やという答えを序盤で手に入れた────そんな感情もあっという間にどうでもよくなる。配信でもなんでもよくなる。媒体なんてなんでもいいからとにかくこの舞台を見れたことに意味がある。だって最後には俺、泣きながら笑ってた。(前回弁論見た時とおんなじ)
俺のこの先ダラダラと続く感想なんかを読む前に見て欲しい。マジでこれこそ百聞は一見にしかず。とにかくなるべく多くの人に見て欲しい。自己責任論が勢いを増す今の日本に最も必要な漫談。きっと色んな人のきっかけになる。きっと視野が広がる。それは自分自身と、隣人のためになる。
こたけ正義感へ。パーソナルイズポリティカルをお笑いで表現できるんやということを、スタンダップ・コメディを通して証明してくれてありがとう。シートベルト例えがほんまに秀逸で、聞き手を納得させながら話を進めた先で笑わせる構図とその技術が見事やった。約束……?のところムチャ笑った。コピペ見つけた!ヘイヘイヘーイ!!!と、ゴメン全然一枚じゃなかった、のところは拍手笑いしてた。
労働。俺にとっては勤務というより労働。別に土運んでるとか穴掘ってるとかではない。日雇いではないけど正社員でもない。個人的な問題を抱えながら一般社会に出て他の人と同じ給料を貰う為に人の倍努力して働いているだから労働。
そんな俺に突き刺さる今回のテーマは貧困やった。生活保護は人として生きるための最後の砦やと。大切な権利やと。こうやって文字に起こすとどんな漫談やねんと。笑えんのかと。それが、ものごっつ笑える。昔から言うでしょう。お笑いは緊張と緩和やと。シリアスとチャーミングやと。正直、生活保護受給者についての堅苦しいだけの話やったら聞く人は一部に限られると思う。でもこれはあくまで漫談やから。エンタメやから。現実の社会問題をジョークで挟んだサンドイッチやから。この料理が好きな人は多いはず。でもこんな上手いサンドイッチを、誰かを蹴落とさずとも作れるなんて……おいしかった。シェフを呼んでくれますか。
きっと色んなコメディアンの舞台を見て研究しとるんやろう。前回の弁論も配信で見て面白かったが、今回は更にパワーアップしとった。スタンダップ初見の人でも分かり易く楽しめる構成、こたけとしてスタンダップをする理由・彼らしさが詰まっている舞台やった。間あいだに挟むボケという名の伏線をを回収してくれる気持ちよさが弁論の醍醐味になりつつある。たまらん。自分が加害者にも、弱者にもなり得る世界やという前提を、一貫した舞台やった。
スタンダップ・コメディ自体が好きで広めたいと日頃から言うてる弁護士芸人のこたけ正義感。今の日本におけるスタンダップ・コメディの普及とリーガルリテラシーの向上を担う、それが弁論 。彼一人にちょっと背負わせすぎか。でもこういう人がひとりやふたり、おってもいいし、もっと増えてもいい。
次回こそは必ず現場で笑いたいので、今回は大人しくTシャツとキーホルダーとステッカーを買いました。全開に引き続き無料配信、ありがとうございました。弁論、全国ツアー頼んます。