空想と現実との付き合い方

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日々仕事に追われているこの頃だけど、頭の隅に2%くらい引っかかっていることがある。それは約10年間プレイしていたスマホゲームにログインできていないことだ。

単純にログインすれば良いことだけど、ログインすることが怖くなっていて、仕事が忙しいのも相まってそれを自分自身肯定している。ログインしなくなったきっかけは分からないが、やはり年始に突発的に仕事が忙しくなったからだと思う。

そのスマホゲームに関しては、2024年2月に悲願ともいえる新製品が発売された。かつてゲームに登場するキャラを推して没頭していたことがあったり、ゲーム内のコミュニティで副リーダーのポジションになり解散に涙したことがあったりしたので、昔の自分なら真っ先に飛びつき没頭していただろうか、と考える。

思えば自分自身で物語の世界に没入することが少なくなった。自分でプレイしようと心に決めていたTLOU2もYouTuberの実況プレイを見て追体験してしまった。筐体がないこともあるが、空想世界に没入することはとても難しいことだと感じている。

リアルと空想の世界は、僕にとって近くに平行世界として存在するのではなく、一本の直線上に対になる位置に存在している。どちらかを掬えば、どちらかがおろそかになるような気がする。あるいは空想の世界に行くことに罪悪感や恥ずかしさがある気がする。

ゲームクリエイターになりたかったので、昔から空想の物語を書いていたけれど、16〜7歳くらいでパッタリ書けなくなった。書こうと思えば書けたけど、自然と浮かび上がるのではなくて式に当てはめている感じで、頭の中に物語が浮かばなくなった。空想の世界に素直に行けなくなったのはそれくらいからだろうか。

ただ、拠り所にはしている。空想の世界があるからこそ、自分はこれまで生きてこられた。休むのには何かに没頭する必要があって、空想の世界は良い場所だった。スマホゲームだから日々ログインが求められているけれど、本来はたまに顔を出す、時間ができたらやってみる、くらいが丁度良いのかもしれない。対局じゃなく、そばにいるくらいで、世界の位置を捉え直しても良いのかもしれない。