はじめに
本文に入る前に、絶対に読んで欲しい前置きを書いておきます。そこそこデリケートな話題なので、念の為。
以下、長々と連なる文章は、とある言葉に対して、時間をかけて向き合っただけの内容です。わたしの返答は全部ここに置いておきます。なので、例外なく、誰であっても、この話題についての意見や苦情には「対応しない」と決めました。前述の通り、返答はすべてここに置いてあるので。読後、ご意見が頭に浮かんだ際はチラシの裏に書き込むなり、ネットの海で論じるなり、ご自身で消化してください。読むのは個人の自由に委ねられており、読まないでおくのもひとつの答えだと思います。
表題の件について
タイトルだけ見ると、人によっては不穏に感じるかもしれない。大変申し訳ない。ただ、大事な感情だとも思ったのでここに書き残しておこうと思った。
※これから書くことは、あくまで個人の考えなので誰に強制するものでもありません。
長い上にまどろっこしい書き方をしているから、要点だけまとめておく。
個人的に筆折り案件が発生した
気持ちはわかるけど共感はできない
結論、筆は折らないけどしばらく休憩しようかな(目指せ2月の東京!)
……って流れなので、心配しなくても大丈夫なやつです。こんなことでなんでわたしが筆折らなあかんねんって思ってるくらいなので。本当に大丈夫。安心して欲しい。
それでは、本題へ〜。
この状況に至った経緯については詳細は省く。要約すると「同人するくらいのオタクだったら本誌を読め。本誌を読まずに同人やるのはどうなのか。好きな漫画なら本誌も単行本も追って当たり前。ファンなら作者に金銭も含め貢献するべき」ってなことを言われ、オタクめんどくせ〜〜〜〜〜!の感情が創作意欲を上回ったって話。
まあ、いろいろ考えたよ。わざわざ嫌な相手に時間を取ってまで、対面で気持ちを述べたくなるくらいだ。それくらい相手はわたしのことが許せなかったのだろう。決して思い付きで言ったわけじゃないだろうから、今まで悩んだ分まで……とまでは言わないけど、まあそれなりに考えた。
……過去、幾度となくネット上で議論されてきた話だし、そこそこ長くオタクやってるのでそういう考えの人がいるのも知ってる。それでも、思うだけに留めるのと言葉にされるのとではさすがに受け止め方が変わるわ〜ってわけで。思考を重ねれば重ねるほど、理解はできても共感はできないになってしまったんだよな、これが。
オタクの在り方って強要されるものなのか? 単行本派がそんなに悪いことなのか? 本誌を買わない人間はファンと言ってはいけないのか? ていうかファンに優劣あるの? それって誰が決めるの? とか。そうやってあれこれ考えた結果、タイトル(前半)になったわけである。
それはさておき。
このジャンルに限っての話をすると、Excelでデータを管理するわけでもなく、何十周と原作を読んでもいない。周囲にいるオタクの濃厚さからすれば、ライトな層に属するのだろう。その自覚はある。
これが免罪符になるとは思っていないが、1回も本誌を買わなかったわけではないというのは先に断っておこう。どっちも読んだ上で本誌派から単行本派に移行した人間なので、移行の理由もそれなりにある。たとえば、誰かの影響を受けないままじっくり漫画を読みたい……だとか。
余談だが、わたしはオタクの叫びが好きだ。ネタバレを気にしないから、TLを埋める本誌の感想もわりと楽しんでいる。ただの人間なので気分の浮き沈みが多少あったとしても、TLから得られる情報とは上手く付き合ってきたつもりだ。でもそれは、感想の影響を受けないまま漫画を読みたいという気持ちとは相反するものでもある。結果、わたしはわたしなりに作品をめいいっぱい楽しめる方を選ぶことにした。新刊が発売される頃にはほとんどの感想を忘れてるし、読む際の障害にはならない。本誌派から単行本派に切り替えたのはそういう理由があってのことだ。
本誌を追いかけるということは、できたてあつあつのごはんを食べられるということと似ていると思っている。0時を少し過ぎた頃から、もれなくSNSではオタクの叫びでTLが埋まり、最新話の感想にみんなが一喜一憂している。自分にとってのTLは、目の前のお皿へ常に揚げたてのフライが提供されているようなイメージに近い。
でも、世の中には猫舌の人間だっている。誰もができたてあつあつのごはんをおいしいと口にかき込めるわけではない。やけどしない程度にちょっと冷まして、落ち着いた頃にのんびり食べたい人がいる。それがわたしだ。
確かに、本誌が売れないと単行本も売れない。アンケートの順位が大切なのもわかる。アンケートの投票が無かったせいで「打ち切り」と言われた日には……と想像もできる。けれど、わたしは思う。一読者が自分の楽しみを追うことのなにが悪いのだろうか。そして、その楽しみ方は人に指示され、評価されるようなものなのだろうかと。
貢献するだけなら「本誌を買うだけ買ってアンケートに回答すればいいのに」といった意見もあるかもしれないが、読んでもいないのに一番面白かったタイトルとするのはなんだか気が進まない。だから、わたしはやらない。
もし、マシュマロとかお題箱とか、その他いろいろな匿名ツールで冒頭にあったような言葉を誰かに送ろうとしている、もしくは対面で言葉を掛けようとしている人がいたら少しだけ待ってはもらえないだろうか。
考えに考え抜いた末の行動なら止めない。そもそも止める権利も力もない。わたしに意見を伝えてきた人も先に言った通り、考えに考えてどうしようもなくなった末の行動だと思うから。ただ、その手を止めて、今後のことを思い浮かべて欲しいとも思う。
指先でボタンひとつ押せば送れてしまうその一言で、同人どころか原作まで嫌いになってしまったら?
単行本はきっと買わなくなるだろう。一冊×続刊分の売上が減って、グッズも買わなければ、舞台も観に行かず……もしかすると単行本を本屋で買わなくなった影響で店の棚からその本が消えるかもしれない。将来的にファンになり得る誰かが本を買えなかったことで二度とその機会に恵まれないかもしれない。これは全部たられば、の話だから現実味はない。だけど、現実に起こり得ないとも言えないのではないだろうか。
あなたの放った一言が最後、一人のオタクが細々と生んでいたお金と声援が作者に一切届かなくなる。逆に作者の不利益に繋がってしまう可能性をどう考えようか。
とんでもない暴論を持ち出すと、「ファンならあなたの一言で失った売上も賄ってくれるんですよね? 一冊分の重みは誰が買っても同じですよ? できないの? ファンなのに?」ってことになるかもしれない。
……あれこれ言ったけど、意趣返しするつもりはないし、わたしは今まで通り発売日に単行本を買い続けるだろう。続きが気になるし、推しのこともまだ知りたい。舞台も観に行くし、グッズは買う。もちろん、同人だって諦めてない。同人のおかげで繋がったご縁がたくさんあって、そのご縁にできる限り報いたいからだ。
というわけで、わたしはわたしなりの方法で原作に貢献しようと思う。あまり役には立たないだろうが、この記事もそのひとつとなれば嬉しい。
実はこの出来事があってから、考えをまとめるのに3回くらい書き直してたりする。書き直すうちに「あれ? わたしなんにも悪いことしてないよな?」となり、折れそうな筆もなんとか形を取り戻した。よかった。思考は人間を救う。
とはいえ、なんだか考え疲れたな……っていうのも事実なわけで。今の状態で推しのこと考えたって良い状態で出力できないので、オフの活動はしばらくおやすみするつもりではいる。メイン機のiPadも不調気味だし、ちょうど良かったのかも。来年2月の東京を目標に漫画出せたらいいな!って具合で、しばらくは黙々と絵と漫画の練習しようかな。積んでるゲームをプレイするのもよさそう。SNSにも変わらずいるし、らくがきもする。オンイベにも出るからね〜。
さいごに
この一件で抱いたのは怒りでも悲しみでもなく落胆だった。誰しも許せないことはある。もちろん、譲れないことも。ファン同士が争って落胆と言ったが、これが適切な言葉だとは思っていない。自分の感情を表現するにあたり、ちょうどいい言葉を見つけられずにいるだけだ。堂々巡りの問答、見つけられない言葉。いずれにせよ、さみしいことだとわたしは思う。