①は前回の日記を見てね。
お昼はツル茶んというレトロな喫茶店に長崎名物のトルコライスを食べに行った。先に絶対言わなくてもいいことを言っておくと、わたしは日頃からレトロとか純喫茶とか昔ながらの味とかそういったもの全般に対して懐疑的な姿勢を持っている人間である。味に満足できることが少ないし、あと 昔ながらのお店あるある:清掃が微妙に行き届いていない が嫌いなので。トルコライスそのものについても、なぜこれが名物に……という思いを抱えてはいた。……んだけど、せっかくならその土地ならではのものにチャレンジしてみたいし、旅だからなんでも食べようと決める。
で、食べたよ。結論としては、上記のようなイメージがみごとに覆されるとかそういうことはなかったけれど、ふつうにおいしかったです。カツがサクサクしていたのがよかった。ナポリタンも普段自分では食べないけれどたまに食べるとトマトソースが甘酸っぱくておいしいなと思った。あと、お店の看板の字がかわいかった。
この頃雨が降ったり止んだりという天気だったので、雨宿りも兼ねてしばらくお店でのんびりしたあと、おみやげを見たりしつつ孔子廟へ向かう。かなり天気に悩まされたが、孔子廟に着く頃にはすかっと晴れていて、雨に濡れた石畳がきれいに映えた。
色鮮やかで立派な廟のようすと裏腹に、わたしと友達以外に全然お客がおらず(後々出てきたけど)、その近隣一帯も静まり返っていて、絶対リミナルスペースの定義に当てはまらないと思うけどどこかリミナルスペースみたいな趣を醸していた。全体的にとても綺麗に掃除などされていて、白い石でできた大きな橋があったりする。奥へ進むと孔子の72人の弟子の像などがあった。独特の雰囲気で、なんとなく楽しかった。孔子をまつる場所に来たのは初めてだったよ。
孔子廟から見える遠くの建物の上にイエスの像……?があり、なんの建物なのか気になる。見える?小さくて白いの……。
お手洗いがてら奥の売店にちょっと入ってみると、 観光地あるある:もう本当に観光とか全然関係ないアニメグッズがなぜか売っている を目撃した。リヴァイ兵長のラバストとかハイキューのキャラのクリアファイルとか忍たまのキャラの名前が書いてあるクッションなどが大量にある。面白がって見ていたが、友達曰く「もうこんなの古いグッズだから普通のアニメイトとかでは売ってない」らしく、そういうニッチな需要を刺す戦法なのか……!? と初めて理解できた気になった。
夜、安楽子という地魚を多く扱う大衆割烹?のお店に行く。地元の人に人気のお店らしく、2人だけでは事前予約ができなかったので無事入店できるか心配だったけれど、カウンターの端っこに入ることができた。
食べたものは、お刺身の盛り合わせ(いわし、あじ、鯛、ひらす、今が旬だというイイダコ)、牡蠣フライ、揚げ出し豆腐、あじの塩焼き、鯨のすじぽん。名前を忘れちゃったけど日本酒を飲んだ。
どれもおいしかった!一日目のお店でもそうだったけれど、お刺身の味が濃くて甘みがあっておいしい。イイダコは初めて食べたけど、思ったよりやわらかかった。頭みたいな部分(たこのあそこは、頭じゃないらしいですね)はなんかモゾモゾポロポロした謎の食感だった。鯵の塩焼きは最後のほうに頼んだんだけれど、身がふわふわでびっくりした。鯵ってもう少し硬めのイメージがあったから…… 皮も香ばしくておいしかったです。
一日目に日本酒でフラフラになったから、日本酒警戒モードに入っていたんだけど、警戒モードのおかげかは定かでないがほぼ酔わなかった。めでたしめでたし。
食後、もともと予定にはなかったけれど、まだだいぶ時間があるしということで稲佐山に登って夜景を見ようと決める。行き方が調べてもいまいちわからず苦労したが、なんとかバスを見つけた。山道をうねうね登っていったのだが、その時点ですでに夜景がきれいだった。バスから降りると暗い山の中に建物があって、近未来っぽいでかいスロープカー(ロープウェイだと思っていたら、なんか違った)で登っていく。言わなくてもいいこと・2を言うと、もともと夜景というものに大して興味がなく、光ってたかてなんぼのもんやねんと思っていたのだが、頂上から見る夜景はやっぱりきれいだった。
2枚目の中央左あたりに♡ハート♡が見えると思います。このハートに気づいて、えっなんかある!!かわいー!と友達と盛り上がっていたら、すぐ近くにいたツアーガイドの人が「あれお墓なんです❗️変な街でしょう❗️」と大声で言っていて爆笑した。どゆこと?「他に何もない広い場所にイルミネーション置きたいと思ったらお墓がいちばんちょうどいいんですよ」とか言っていた。陽気な墓だ。そこのお墓を持っている家がみんなめちゃくちゃ寛容なのか、なんなのか。いきさつはよく知らないが、お互い穏便に合意したうえでのハートでありますようにと思った。
ここでも友達と自撮りをしたりしていたら、下りのスロープカーの時間がぎりぎりになって、夜景を見ながらダッシュで戻った。ウケた。その後、帰りの時間にはもうバスがないとスタッフさんに告げられて呆然。なんにも後先のことを考えていなかった。幸い、スタッフさんに教えてもらったタクシーに来てもらってすんなり帰れた。
この日はわざわざ前半と後半に分けて書いていることからもわかるように、かなり凝縮された一日だったので、ホテルに帰ってさっさと入浴しておとなしく寝たよ。