たくさん本を読んだ。
本当の悪人なんていない。みんな誰かの被害者で、負の遺産が連鎖していただけ。自分を守る為に自分を覆い隠す、それだけ。
なのに、加害者になってしまうんだ。
こころを鈍くして、もう傷つかないように痛覚をシャットアウトして、そのうちに自分が受けた痛みを思い出さないように蓋をするから、麻痺してしまって。
みんな、誰かの被害者だ。
でも、それを飲み込んだら私の受けた傷は誰が癒してくれるの?
お母さん、私あなたのこと恨んでないよ
分厚い壁で自分を覆わないと壊れてしまうから、それを選んだのでしょう
わかってる、わかってるの
でも、幼い日の私は、ただ、抱きしめて欲しかっただけなんだよ。
気持ち悪いと拒絶しないで欲しかった。
お母さん、あなたは私のたった1人の母親なんだ。どんなに冷たくあしらわれても、罵られても、あなたの自慢の娘になれなくて失望させてしまったけれど、私のお母さんはあなたしか居ないんだよ。
母の無性の愛を私の中に住む幼い私が求めている。
お母さん、私を産んでよかった?
あなたの理想の娘にはなれなかったけれど、私を産んでよかったと今もおもう?
あの鋭い目つきを思い出すだけで、いまも、体が強張るの
お母さん、お母さん。
わかりあいたかったの、あなたと
喜びや悲しみを共有したかったの
失敗しても、いい子じゃなくても、気が利かなくても、ただ生きてるだけでいいよって優しく頭を撫でてほしかったの
ごめんね、お母さん、ごめんなさい。
あなたの悲しみや苦しみを一緒に背負って生きれなくてごめんなさい。