「パラダイスの夕暮れ」を観た

hrn
·

「枯れ葉」を観て監督のアキ・カウリスマキに興味を持って鑑賞。監督のプロレタリアート3部作のうちの1本目らしく、「枯れ葉」に似た要素が複数出てきて(作品を出した順で言うと枯れ葉が似てる側なんだろうけど)、やっぱり好きだなあと思った。

一目惚れしたイロナに対して恐らく自分が思いつく限りすべての紳士的行為を披露するニカンデル、そんなニカンデルがポロっと出してしまうイケてない部分にしっかりと幻滅するイロナ。本当はお互い惹かれあっているのに些細な言動のせいですれ違い、それでも何度も会いに行く姿がピュアで愛おしくて良いなあ。恋人でも無い?のに突然新婚旅行に誘い出し、二人で駆け落ちするラストがぶっ飛んでて笑ってしまった。(「枯れ葉」にもそういうぶっ飛びがあっておもしろい。)

「ダサいけど、ほっとしてクセになるタイプ」わかるよ〜。ゴーストワールドのことも思い出しちゃったな。

アキ・カウリスマキ作品は緑と赤の使い方がとても好き。登場人物の環境は過酷だし恵まれているとは言えないけど、小物や服の色など視覚的要素は鮮やかでそのギャップがすごく良い。フィンランド人の色使いが目に新鮮というのもあるのかも。構図もずっと美しく、なんでこんなに惹かれるのかちゃんと言語化して自分が撮る写真などに反映させたいなと思った。あとは、セリフがとても少ないところも私には合っていて、登場人物の感情を深く考察しづらいところが嬉しい。サクッと観られるし観終わった後はなぜかほっこりしている。

3部作、少しずつ観進めよっと。

@hachan
フィクション