産直で野菜を買う女

hachico
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こちらにきてから、季節野菜はできるだけ産直で買うようにしている。何故かと問われれば、できるだけ、地方の農家さんにお金を落としたいからだ。それに、鮮度がよく、純粋に美味しい。さらにさらに、安い。

息子も何故かよくついてくる。産直にはスーパーに出回らない面白い形の野菜を見てすげ〜と目を輝かせている。わかる。子供の頃私もそう思っていた。変な形の野菜は面白い。

子供の頃、家から5分ほどのところに家が1建つくらいの面積の広い畑があった。本家の土地で、好きに使わしてもらってたらしい。

本業の農家が作ったわけではないから、そこで採れた野菜は、実にいろいろな形をしていた。球になっていない白菜、大きさがバラバラで左右が非対称なかぼちゃ、かたつむりみたいにくるくる丸まったきゅうり、でこぼこのトマト。SNSでたまにみる、足みたいに二股になった大根や人参も、実在する。

それらをケラケラ笑いながら収穫するわけだ。家庭菜園と言うには広すぎる畑。これぞ田舎って感じだが、その体験は心は豊かにしてくれた気がしている。野菜が食卓に届くまでに、手間暇がかかっていて、それが手軽に買えることがありがたいことだと自然に感じられる。季節のとれたて野菜はどこか味が違うことや、ハウス栽培と露地栽培の差もわかる。これは、街中の子供には味わえない、豊かさなのかもしれない。

せっかく田舎に住んでいるのだ、息子にも少しその雰囲気を味わってもらいたい。季節のものや、土地のものを食べてもらいたい。実際に目にして、口にしたそれらはきっと大人になった時に、心を豊かにしてくれるだろうから。

@hachico
とうほくの田舎にいる。低空飛行で日常を飛んでいる母。