昨今よく耳にするようになった『断捨離』元々捨てられない、片付けられない人種だった私も、これをやってみたら存外、人の住める部屋くらいまでには整った家に住めるようになった。
そもそも、片付けが苦手だったのには家庭環境が大きく関係している。ザ、田舎の一軒家に生まれた私。当然、実家はものが溢れていて、掃除も行き届いておらず、冷蔵庫はもう目も当てられない。祖母が溜め込むからだ。
一言目には『もったいない』二言目には『安かったから』戦前生まれの人によくある、豊かになったから得られた『ものへの執着』だ。節約をするのも、もったいないの気持ちも大切だけれども、これではものが増える一方なのだ。
子供の頃、母親から『片付けなさい』と言われたところで、片付け方がわからなかった。そもそも、どこをみても片付いていないのだから、分かりようがない。短大を卒業して、結婚するまでしっかりと汚部屋に住んでいたが、世帯を持つとそうもいかなくなってくる。
『整えなければ!』と思ったきっかけは大掃除をしたことだった気がする。数年後東北に転居することが決まっていたので、引っ越しも鑑みて今までなんの気無しに取っておいたもの達を捨ててみたのだ。そしたらあれよあれよとゴミ袋10袋分の不要なものが出てきた。捨てることによってスペースができたのが少し快感だったのを覚えている。
この年から帰省をしない年は毎年断捨離も兼ねて大掃除が通例となった。大掃除も文化だ。息子の情操教育にも良いだろうと、続けている。
常々きれいにしているわけではないが、
『実家のようにはなりたくない』
これが私のお片付けの原動力になっているのかもしれない。そういう意味では良い反面教師なのだろう。