割と朝から動けたし、仕事に集中できた日だった。ちょっと元気になってきたかもしれない。ライフログを記録するようになった成果か、漢方薬のおかげか、脳に効く系サプリの効果か、単に春まっさかりになったからかは謎である。まあ仕事をもりもりやったところで締切には遅れてるけど…。
夕方、京都府立植物園の夜間ライトアップに同居人と出かけた。今年は桜の盛りが短いし雨が続いたしで、平日では一番良い日に行けたのではないかと思う。桜も五分咲き〜満開くらいで大変見栄えがした。
夜の植物園はちょっと怖い。草木が鬱蒼と茂る生態園などに足を踏み入れたらそのまま闇に吸い込まれてしまいそうだ。でもちゃんと迷い込みそうな道はグリーンのカラーコーンが立ててあるから、安心だった。心に残った桜はソメイヨシノとオオシマザクラの交配種で、花がおおぶりなのが良かった。木の根元では絵に描いたような新入社員の歓迎会をやっていた。
温室が夜間無料開放していたので入った。ベゴニアが300鉢展示されているという。ベゴニア、って言われても花のイメージが思い浮かばない。温かい地域の植物で、緑が濃く、花は拳より大きく、赤、白、黄色など鮮やかだった。立木のタイプと鉢から垂れ下がるタイプと2つある。温室の植物は南国のものが多いので、葉っぱの印象が全体として野放図である。肉厚で、大きくて、ケチケチしなくてもやっていけるという感じがある。真夏に手足を投げ出しお腹丸出しで寝てる人みたいな印象だ。同居人が「もし我々が破局して…」と言うので何を言い出すのかと思ったら、「それで10年くらいしてまた会うことになったとき、この温室で待ち合わせたら感じが出るだろうな」という話だった。ちょっと気取りすぎだが、まあよいような気がする。その後どんなパターンの破局がありえるかを話し合っていたと思うのだが、やがて話題は温室で死闘を繰り広げるならどう立ち回るかに移っていた。同居人はトゲだらけの木で私をひっぱたくという。私は体当たりを食らわして金鯱(巨大な球状のサボテン)に押し倒すつもりだ。そうこうしているうちにサボテン室に入ったので、自分のフィールドという感じがして頼もしい心地になった。「そんなこと言ったって、死別だってありえるんだよな」と言い合って植物園を出た。同居人は自転車で帰っていき、私はバスだったのでちょっと心細かった。