2024/04/14
前日の取材疲れでほぼ昼まで起き上がれなかった。何をそんなに疲れることがあるか、自分でもよくわからないのだが、電車移動と大きな音が苦手なようだ。今回はどちらもかなり程度が強かった。同居人が川にノビルを採りに行くというので一緒に出たが、自分は参加せずにカフェでほんのちょっとだけ仕事をした。
2024/04/15
遠方での取材でハードな一日だった。そもそも駅の乗り場にタクシーが全然来ず、20分近く浪費し、2つのタクシー会社に電話しどちらも車が出払っているということがわかった。後から並びに来たおばあさんが「今日は年金日やからね、お昼やし、天気もいいし」と言った。年金日。年金は偶数月の15日に振り込まれるので、今、この町の年金受給者がこぞってタクシーに乗り、銀行やATMを目指して走っているらしい。先に並んだとはいえおばあさんは手押しカートに捕まってようやく立っているような様子だし、というかタクシーが来る保証もない中仕事の時間が刻一刻迫っているので、タクシーは諦めて徒歩で行くことにした。4月なのに炎天下と呼びたくなるよく晴れた空の下を20分小走りした。
ようやく取材先に着いたが、そこでは体験イベントが行われており、広大な敷地を走り回って60分弱で25箇所を回らねばならないことが明らかになった。単純に割り算すると1箇所あたりの滞在時間は2分強だが、移動時間も考えれば1分半がいいところだろう。
25箇所のどこを回ってどこを回っていないか覚えていられないのでチェックを入れようとペンを探したが、筆記用具入れを忘れてしまっていた。ポケットをまさぐると眉墨鉛筆が1本出てきた。もう10年くらい切らしたことのないお気に入りの鉛筆で、化粧をする気力が湧かない日でも(1年の350日くらいがそんな日なのだが)せめて眉だけはとこれで描いている。眉の後ろ半分が薄いのでそのままだといかにもすっぴんという風情になるのだ。この鉛筆は200円と安めながら使いやすいのが良い。ほんとはクレンジングとか必要なのかもしれないが、風呂で洗顔するとなんとなく取れてしまうのも後腐れがなくて楽だ。資料に書き込んでみるとちょっと柔らかすぎるし太すぎるが一応メモ程度は取ることができた。ブラウンでなくグレーの眉墨鉛筆だったのは幸いだった。鉛筆そのものは6センチくらいで短いが、白いプラスチックのキャップが付属していて、お尻に差し込むと多少長さが出る。取材中は両手がふさがるので馬券を買う人のように耳に挟んで走り回った。実際に回ってみると閑古鳥が鳴いているところも多かったが、逆に人気の場所は大勢がつめかけて前半にピークを迎えてしまったりして、後から向かうとすでに撤収ムードになっている、なんてこともあった。いずれにせよ体力がひどく落ちている身にはつらい。1時間走り回って、ふらふらになりふと気づくと資料が手の中で筒状に丸まっていた。チェックを入れる余裕すら途中から失くしていたようだ。そして耳に手をやると眉墨鉛筆はなかった。どこで落としたのだろう。すでに3回くらい落として芯が中で折れたのかぐらぐらしていたが、半年ほど前に買ったばかりでまだまだ使えただろうことを思うと非常に悔しい。