寝込みDAYだった。過去の経験上、この日は寝込むだろうなという日をあらかじめカレンダーに組み込んでおき、他の予定は入れないで家で積極的に大人しくしていようと思ったのである。そうすることで一日を無駄に過ごしたという虚無感や無力感に苛まれないで済むからだ。タブレットにたくさん映画やアニメを入れて寝床でそれを見まくろうと思っていた。ポップコーンも食べるつもりだった。
しかし起きてみると意外に元気だった。いつもなら起きた瞬間から無重力空間でもがいているような空転する感じがして、イライラとはいかないまでも何をしても朗らかな気分になれなかったりする。が、体はだるいもののそういう気分の悪さはなくていつもどおりだった。仕事とかできるんじゃないかな、と思った。思いはしたが、でも寝込みDAYだし、部屋に同居人が来たので午前中はふたりで大人しくじっとしていた。
昼にざるそばを食べて、やっぱりちょっと働こう、ただでさえ仕事は遅れてるんだし、と思ったが、直後に異様な重だるさがやってきて寝てしまい、目が覚めると17時近かった。寝込みDAYは寝込みDAYだったのである。そして用意していた映画やアニメは一本も見なかった。それも映画DAYではなくて、やはり寝込みDAYだったからだ。私の勘違いだった。積極的に寝込むことで気分の落ち込みを避けるのが寝込みDAYの肝だったのに、意外と調子が良かったせいで変に期待感を持ってしまい、それが裏切られて結局へこんだ。いわば純粋寝込みDAYだった。