20分ほど仮眠をしただけで、久しぶりに完徹の日だった。といっても3時くらいまでは前日の疲れで虚無になっていて、しかし絶対に眠れないという状態でうんうんうなっていた。丑三つ時になってからようやく、詰まっていた残りの描写を書き上げた。なんとか連載更新に間に合った。といっても、昨年から何度も更新に失敗した挙げ句のことだけど。
長編執筆にこれまでずっとTATEエディターを使っていたのだが、今回からNolaに切り替えた。TATEエディターは書籍のような美しい縦書き書体で執筆できるアプリだ。書いている時の雰囲気を大事にしたい、かつAppleユーザーではない私の大好きなサービスだったが、致命的な欠点が2つある。1つはタブレットのBluetoothキーボードから打ち込むと高確率で子音を勝手に確定する、改行しすぎるなどの入力バグが起きることだ。打ち込みながらしょっちゅう訂正しなければならず、実はかえってストレスフルな執筆体験になっていた。2つ目は端末ごとのバージョンに一長一短あることで、ブラウザ版はアプリと同期できるが縦書きにはできないし、デスクトップ版は縦書きできるが同期できない。私はノートPCやタブレットや、場合によってはスマホでも書きたいので絶妙にかゆいところに手が届かない。上記の弱点は一部が今後対応予定であり、サービスのコンセプトも好きなので有料プランでも買い切りアプリでもいいから早く対応してくれ〜!と心待ちにしていたのだが、やっぱりなかなか時間がかかるようでバージョンアップは少なくとも1年以上行われていない。将来的に対応したら乗り換えたいけど、ちょっと今は無理だなと判断した。
で、Nolaだ。Nolaは小説創作をしている人には有名なサービスで、プロット作成をはじめとした執筆支援機能が充実している点が特徴だ。去年アカウントを作ったままほぼあまり活用できていなくて、プロットはDynalistでやっていたんだけど、今回試験的に切り替えてみた。1つの物語は書籍という形で管理されており、その中にテーマ・構成・執筆・資料と大まかに4つのテーブルが用意されている。基本的には、計画的に小説を書いていきたい人向けのサービスといえると思う。構成のプロット機能ではおおまかな起承転結の4ステップを書き込んだあと、もう少し細かいあらすじを書いていける。プロット作成の古典的方法として、エピソードを書いた付箋の順番を入れ替えながらプロットを検討する手法があるが、あれをPC上でできるようにしたものだ。これが今回はけっこう役に立った。各エピソードを書いては休む方法で、手応えを感じつつ執筆できたのがよかった。執筆画面は各章題を一覧しつつ書けるようになっていて、目標の最終文字数に対して何%書けているか・各章が全体の何%を占めているかが常に表示されているのがありがたい。また、これまでの執筆文字数や今日の文字数も確認できる。ちょっと惜しいのは書体が横書きのゴシック体である点で(プレビューでは縦書きにできるが編集不可)、私はこれがどうもしっくり来なくてずっと放置していたのだが、この際縦書きへのこだわりは捨てることにした。アプリが使いやすくてスマホ・タブレット・PCどこからでも原稿にアクセスできるのが嬉しい。あと、プロットを作ると楽ですね(今更!?)。テンポを整えたくなるので1つのエピソードを長く書きすぎる悪癖が抑えられるし、書いてるうちに違う展開を思いついたりもするけどそれはそれで楽しい。見比べることで「ここを匂わせたかったのに忘れてるじゃん」という事態も防げる。今回は章単体のプロットしか切らなかったけど、今後は全体のプロットを詰めていくのが目標である。今までなかったの?なかったんです、いや途中まではあるしあとの展開も飛び石みたいに見えてはいるんだけど間が結構空いているんです…。
6時すぎまで書いて完成させたあと車に同乗して兵庫県まで取材に行ったので本当にハードな日だった。何度も気絶しそうになった。午後京都に戻ってこられたが、この状態でツボを刺激されたら心臓止まるかもしれんと思って鍼灸院もキャンセルしてしまった。それでも帰って2時間ほど寝てからカフェに行って日記や仕事を少し進めたので偉い偉い。夕食はケバブサンドをテイクアウトした。ひよこ豆もケバブもおいしかった。そういえば前日の日記に書き忘れたけど、同居人が島根に行ったお土産に柑橘類をたくさん買ってきてくれた。せとかって初めて食べたと思うけど目ん玉飛び出るくらいおいしい。みっちり詰まった果肉の粒々がゼリーみたいだ。最近注目されがちな品種ってただただ甘いだけのものも多いけど、せとかはフレッシュというより熟成された柑橘の香りがしっかりするのもいい。死に際に食べたいものナンバー2になった(ナンバー1は白桃)。ブラッドオレンジやはるかも買ってきてくれたのだが、共通して外皮が薄いのに密着していてひどくむきにくい。だけどそれを差し引いてもおいしいのだった。土壌や天候のせいでそうなるのだろうか。