比較的ハッピーな一日だった。天気が良くて気分も晴れやかだったし、掌編も1本書けたからだ。仕事は進んだけど元が遅れているので大して快調でもないのがつらいところ。
頭痛ーるのアプリを入れたのをきっかけに、気象病とか天気痛と呼ばれている症状について調べてみた。なんとなく雨の日に死ぬほど眠だるくなる気はしていたけど、なるほど当てはまるような気がする。で、対処法として気圧が下がる前日に飲む五苓散という漢方薬があるという。さらにおあつらえ向きなことに翌日めちゃくちゃな爆弾低気圧が来るらしいので、さっそく試してみることにした。各種メーカーから出ている同成分の商品を価格面からChatGPTに検討させてツムラのやつを買った。シナモンみたいな味がするなと思ったら、実際桂皮が入っているらしい。効能書きには「むくみが気になる方に」とあり、頭や身体の水分の分布を調整して頭痛や二日酔いを楽にする効果があるという。さらに検索すると「東洋医学でいうところの水毒が…」とかなんとか書かれている。むくみ?低気圧とむくみになんの関係があるんだろう?よくわからない。
この日は月に一度の朗読会「まちのひ朗読舎」で中崎町へ。翌日が2月29日なのでうるう年をモチーフにした掌編を考え、向かう電車の中で書き下ろした。タイトルは「猿とパン屋」で2000字くらいになった。北野勇作さんは「小さいエヨルフ」のほぼ百字小説、谷脇クリタさんは「アメリカのスーパーヒーローやってきて」で始まる短歌の連作短編と掌編。後半になるほどお客さんが増えて、最終的に6人になったのでほっとした。オープンマイクも賑やかだった。今度なんとR-1グランプリ決勝に出場するというどくさいスイッチ企画さんが決勝ネタをやってくださった。最近どこかでお見かけしたような…と思ったら、「大喜る人たち」の動画で見たんだった!後になって気付いた。決勝ネタはトップシークレットなので、何をやったかは秘密だ。
帰り道で谷脇さんに、こないだ「顕神の夢」展で若林奮のすごくいい犬のドローイングがあって、真っ先に谷脇さんを思い出したという話をしたら谷脇さんは「おおっ」と言い、日本の彫刻家の中では若林奮が一番好きだと教えてくれた。何か通ずるものをドローイングから受け取っていたんだなと思って嬉しかった。空間や距離を主題にした彫刻が多いのだという。
0時前に帰宅した。鏡に映る自分の顔を見て「あれっ」と思った。なんだかいつもより、頬骨が尖っている?顎のラインもはっきりしている気がする。同居人にいつもと顔が違うか尋ねたが特に変化は感じないようだった。しかしむくみ取りになる五苓散を飲んだ話をしたところ、「そういえば撮った写真を並べると、同じ人とは思えないほど顔が膨らんでいる時とそうでもない時がある」という。びっくりして写真を見せてもらい、これは膨れてる、これはそうでもない、膨れてる、そうでもない、と見比べた。たしかに比較的スッキリした顔の時と水たまりに落としたアンパンみたいにぶよぶよしてる時がある。えーっ、これもしかしてむくみなのか!?なんか日によって顔の印象が違うなとは思っていた。あんまり顔を気にしないので気づかなかった。私は顔が丸くて、年齢の割にほっぺたもぷくんとしているのだが、それは一種の開き直りもあって愛嬌だと捉えていた。愛嬌じゃなかった。むくみだったんだ。なんかみんな「しょっぱいもの食べすぎて顔パンパンだよ~」とか「足がめっちゃむくんでる、象みたい」とかよく言ってるけど、「へー、むくみってよくわからんけど大変そう」って思っていた。むくみはずっと自分のそばにいたんだ。というわけで自己像からむくみが分離されて巣立っていったのだが、五苓散が天気痛に効くかどうかの評価は明日を待ちたい。