メンタルクリニックに行って帰ってきただけで疲弊して2時間近く昼寝をかましてしまった。処方薬を検討するために心理検査を受けた。この際希望制だという知能検査もやってしまおうとお願いしたら、ほぼ半月以上先しか空きがないとのことで(検査は時間がかかるのだ)、結果が出るのはさらに2週間~1ヶ月先なのでまだまだ道のりは長い。
同居人が散髪に行って帰ってきた。腰まであった髪を切り、肩にかかるくらいの長さになった。思い返せばコロナ禍に入る直前あたりから髪を伸ばし始めた同居人だが、長さが半端な時期の見苦しさは堪え難く、正直「並んで歩きたくないな」と思ったほどである。長髪というより「なんらかの理由(お金がない、髪が伸びることを知らない、一日に30センチ髪が伸びる体質など)で、髪が長い人」といった趣で、当時はコンディショナーはおろかシャンプーさえ使わず石鹸で頭を洗っていたために毛質の荒れもすさまじかった。『ピアノの森』の主人公の少年時代のような様相で、あれは野生児っぽさを漫画的に誇張した表現だからよいけれども、あの髪型の成人男性がいたらと想像してみてほしい。何度も散髪を勧めたが「髪を伸ばしたい時に髪があるとは限らないから」と言われて引き下がらざるを得なかったことを思い出す。それに比べれば、長さはあの時と同じくらいだが、ちゃんとお手入れもするようになった今の髪は全体がふんわりと切りそろえられてファッションの範疇に収まっている。4年前とは雲泥の差だ。ただ、腰までのロングヘアだった頃は一見して奇妙というか「何者なんだ」という感じがあったけれど、散髪したことでより見慣れた感じになった。「いそう」なのである。はっぴいえんど大好きそう。あえてのレコードにはまってそう。金土日だけ開くカレーとコーヒーの店を大学時代の友人とやってそう。大変に安心感があるが、いくばくかのつまらなさも感じる。というか、その2つは表裏一体なんだろう。世の中にある類型に自らハマりにいくのがファッションの初歩なのだな。などといろいろ考えたけれど、今の髪型は同居人にとても似合っている。あとは自然乾燥せずにドライヤーを使った方がいいと思う。