錫吏のふたりごと

haco
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未来の展望だとか、他人の幸せだとか

もっと飛ばして自分の幸せすら願えない夜は

どうにも息が詰まって眠れないようで

布団にくるまる主人はいつもかなしそうにする

かなしくならない優しい毛布にくるまって

いつか楽しみにしていた夢を見たい

あの日見ていた輝きをどうにかまた手にしたい

世界が全部敵になったような気すらして

なにが正しいとか、なにが許されるとか

なんにも分からなくなる

嫌な癖 弱いくせ

自分が敵とは限らないのに

誰かの許しが欲しい訳じゃない

ただひとりの自分に許されたい

自分への許しを、私に預けている

悲しいよるを少しでも減らせるような

そんな許しが欲しい

いくらでも許したいのに受け取らないのは貴方でしょう

つらつら書き連ねる文字列になんの意味もなくて

結局自分がいかに狭い人間なのかを

嫌という程突きつけられる

自分の首を絞めながら

自分で傷を作りながら

結局息をするしかなくて

前を向くとか見上げるとか

そんな崇高なことは出来ないけれど

生きるくらい許されたっていいじゃないか

生きてていいなんて文字にしたら

貴方きっと泣いてしまう

生きることを否定されて

生きていることを蔑ろにされて

誰が未来を夢見れるだろうか

今を生きることに精一杯なんてよく言うけれど

今を生きていることすら怪しい

そんな存在になってしまった自分が

ひどく可哀想に見えてしまった

貴方のそばから生まれた私をどうか手放さないで

私は貴方こと、よくよく知っているの

それだけでも、ゆるされたきもちにはならないかしら