中野ブロードウェイ30分の思い出

はいファイ
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公開:2023/11/26

中野ブロードウェイに初めて行ったゾ。

都内に越してきて5年少々経っているが、東側のほうに住んでいることもあり今まで中野という地に降り立ったことがなかった。かの有名な中野サンプラザも解体される前に拝んでおこうかと思って。思ってというか、そこまで特別に中野に行きたいと思ったわけではない。

カメラをぶら下げながら都内を気の向くままに歩いてみるのが好きだ。東京23区というのは適当に歩いていても私鉄なり地下鉄なりの駅にたどり着けるからすごい。街並もチマチマウネウネしているのでどんどん風景が変わっていって楽しい。なので、今日はわりと早く起きれたな(12時とか)という休みの日は、突然思い立って、あんまりよく知らない駅とかまで行ってよく知らない住宅地とかをうろうろする写真散歩を試みてみる。今回は東から西まで行ってみた。馴染みのない、なんとなく敬遠していた中央線沿いだ。敬遠していた理由は、知ったら好きになってしまう気がするからだ。

中野ブロードウェイは、結構圧倒された。秋葉原でいうラジオセンターや昔のラジオ会館(だったかな…あるいは別の雑居ビルか…)に入った時のような、狭いところでモノと情報が肩寄せあっているその密度、圧縮感とワクワク感、その小さい店先で店主がダルそうに通りの廊下を眺めていたり、人々が様々な欲望に駆動されて店に引き寄せられていくような様子、まぁその大半は自分と同じような物見遊山なんだろうけど、それでも、そこにしかないものを、宝の山かごみの山のように見える中から、自分を呼ぶ声を見つけようとする冒険者たちの呼吸が、そこには感じられた。

とはいえ、よく見ればそれは大資本チェーンの店だったり、レンタルショーケースばっかりじゃんと思うようなところもあり、きっと昔を知ってる人からしたら変わっちまったなァ、みたいなことがココでも起こってるんだろうとは想像できたけど。それでも、そういった店の隙間で、どうやってここまで生き抜いてきたのか、あらゆる視点から見て謎、みたいな貫禄を漂わせる店もあり、なにより此処には、この建物には文化があるという気概をみんなが背負っている感じがよかった。

そして個人的には、「メカノ」という、テクノ・ニューウェーブ専門レコードCDショップと出会えたのがうれしかった。なんで今まで知らなかったんだ!たしかに、自分のメインで聞いているエレクトロニカやアンビエントといった音楽の範疇とは少々異なり、ルーツとなるテクノポップ、主にクラフトワークからジャーマンプログレ、80年代ニューウェーブなどが中心の品揃えなのだが、まず店先からクラフトワークが流れており、YMOやP-MODELといった関連のグッズが広がっていて、Aphex Twinのランチバッグまである。ときめくなという方が無理であった。

そんな感じで、さらっと通り抜けるだけのつもりが、全然もっと居たい、ここだけを探索していたいとなってきていたのだが、せっかく持ってきたカメラをただの荷物にしたくないし、なんなら近くのディスクユニオンのほうがほんとは行きたい、と思い出し、中野ブロードウェイを後にした。

ちょっと歩いていたら、開けた場所でなんか若い人たちが歩き食い立ち食い座り食いしていて、何かと思ったら「やきいもフェス」が開催されていた。たいへん魅力的。お昼食べたばっかだったし、人もたくさん居て入る気にはなれなかったけど、やきいもを使ったおいしそうなスイーツなどがたくさん出店されていて・・・みんなほくほくしながら食べていて・・・

やっぱり入るべきだったな、やきいもフェス。中野、ずっと遊べるな。