めんどくさい。
世の中はめんどくさいでできている。それは自明のことなのだけれど、そのことと真剣に向き合ってしまうと気が狂うから、なるべく他のことを考える。めんどくさいことをしてるときは、なるべく楽しいこととかを考えながらなんとか処理する。そして次のめんどくさいことをする前に、楽しい気持ちを何かしらで補充する。そしてまた、その楽しい気持ちを少しずつ脳内で消費しながら、めんどくさいことに取り組む。この先にも続くめんどくさすぎることの連続については、さしあたり考えないようにする。
昨日は、会社から支給されているデスクトップPCの入れ替え作業が必要となり、それがまあとにかくめんどくさい。自分の職種として、映像の編集などの業務が多いのだが、そうなるとそれなりのマシンパワーのためにデスクトップPCが、そして素材などの扱いでそれなりに膨大なファイルサイズをやりくりする必要が出てくる。つまり、物理的にもデータ量的にもデカい。
なので、まず今のPCを会社に送り返す作業と、会社から新PCを家に送る作業が発生し、さらにデータの移行作業が発生する。これがノートPC一台で済む職種なのであれば、会社に行って、PCを受け取って、クラウドか何かで同期していたデータを新PCに反映して、古いPCは返して、バッグに入れて持ち帰る、それだけで済むことなのだが、そんな気軽に持ち帰れるようなブツではないとなると、途端にめんどくささが二乗する。
まず、会社で保管していた旧PC専用の梱包用の箱を家に送るところから始まる。あまりにデカすぎて家では保管したくなかったのだ。デカいだけで軽い空き箱(本体とモニタの分がある)を家に送り、次の日には新PCを受け取る。新PCを梱包して家に送る。この時返送用の会社着払い伝票も忘れてはならない。翌日はリモートにして、午前に自分で昨日送った新PCを受け取る。でかい箱が家に3つ。旧PCを会社に送るための集荷依頼を早めにしておく。集荷依頼をしたということはタイムリミットが決まる。それまでに旧PCに未練がないように移行を済ませなくてはならない。この日を見越して、これまでに終わった案件は別のHDDや会社のNASに移行を進めていたのだが、それでもまだ100GB以上のデータが中にある。もうこまかく分類している暇はない。この日のために外付けSSDも空けておいたので、とりあえずゴソッと移動する。その他ドキュメント類やデスクトップに散乱している書類らもとりあえずゴソッと。そして忘れてはいけないのがソフト、そしてプラグイン関係。これの確認がまためんどくさい。とはいえ世の中はクラウド、サブスク時代になったので、昔のようなアンインストールやら設定ファイルの移動やらといったローカル的な作業はだいぶ少なくなった。クラウド上のアカウントですべて管理されているので、必要なソフトは新PCでダウンロードすればよく、認証上限があるソフトだとしてもブラウザ上で使わないPCを解除すればよいだけだったりする。このあたりは時代を感じる。それでも全てがそうというわけではないので、不安なやつは公式サイトで移行方法を確認したり、アンインストールしておいたり、普段なにげなく使ってるフリーソフトも設定ファイルを移行しないと面倒なことになったり・・・。また、映像編集ソフトには編集を効率的に進めたりエフェクトに必要なプラグインがあったりして、これも気をつけなければいけない。もしこれの移行がうまくいかないと、最悪の場合進行中のプロジェクトを新PCで開こうとした時、適用していたエフェクトが外れて再現できなくなってしまう恐れがある。
とかなんとかいろいろを、タイムリミットが迫る中で慌てながら作業とか、ほんとは絶対したくない。はい、前もって余裕持って準備できることがあったはずです。これでもだいぶ前から意識してたほうなんです。それでもやっぱり、当日にならないと思い出せないこととか、ありますよね?あるある。
というわけでなんとか無事、最後はもうエイヤで発送し、続いて新PCの細かい設定調整など。これもまためんどくさい、いや、新しいPCで環境を構築していくのはリフレッシュした楽しさみたいなものもあるといえばあるのだが、しなくていいならやっぱりしたくない。Windows10から11になったけど、見た目以外ほとんど変わらないし。そんなこんなでほぼ一日が潰れ、その分進められなかった案件的な仕事にしわ寄せが来て、めんどくさいことになっている。
つらつらと昨日の作業のめんどくささを書いてしまったが、僕が言いたかったのは仕事がめんどくさいということではない。生活にまつわるあらゆるめんどくささである。仕事を終えたとしよう。出社していた場合はまず移動がめんどくさい。夜ご飯に何を食べるか考えるのもめんどうだ。食べるのもめんどうではあるが食べないでいるとあらゆるコンディションが最悪になって超めんどくさくなるので食べなくてはいけない。そうしたら寝るまでの間にまだまだ超めんどくさいイベントが多数ある。まず風呂は面倒オブ面倒だ。脱いだら寒いし、体を洗う一連の動作は毎日ワンパターンで退屈だ。上がったら髪を乾かさなくてはいけないし、その後はなんと歯を磨かなくてはいけない。その後にすぐ寝てしまったらなんと次はもう朝である!しかも入眠がうまくいかない時など、絶望的なめんどくささである。ちなみにもう省略するが、朝起きてからもまた同程度の計り知れない面倒臭さが襲ってくる。恐怖である。
なので、この恐怖を少しでも和らげるために、一つめんどくさいことをやったら、一つ自分を甘やかす。そう、一番上で書いた、楽しい気持ちの補充を、すごく細切れにやる。髪を乾かしたらすぐ寝る、とか、そういうのはちょっと、脳によくないと思う。しかも寝たらすぐ朝のめんどうくささに直面することになる。ちょっと耐えられない。なので、髪を乾かしたらしばらくインターネットをしたり、こうしてしずかなインターネットに向き合ったりする。そうすることでめんどうくささに絶望死してしまう前に、身を守って対処している。
そうやってズルズルと夜ふかしをすることで、朝、無事に寝不足になり、その一日がデバフかかった状態となる!その結果、さらにめんどくさいことに対処するパワーが失われていってしまうのだ!
生活とはなんというめんどくささだろう。めんどくささから逃げたところで、いずれ巡ってくるのは自分が後払いしためんどくささなのである。こうやってそのことを明文化したことで、めんどくささを俯瞰してしまったので、そろそろ気が狂うかもしれない。
ああ。そろそろ日記の終わり方を考えるのがめんどくさくなってきたのでおしまいです。ただの日記で2800字とか読むのめんどくさいと思います。じゃあ書くのは?書くことはめんどくささではなく希望だよ。