攻殻機動隊と、スタンド・アローン・おしごと・2月コンプレックス

はいファイ
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シンプルに仕事が忙しくなってきた。12月はだいぶヒマで、1月は、年末年始でボケた頭と体を少しずつ矯正していくような日々だった。なにせ、年始から日本は大変な事態に見舞われて、生活を戻せなくなってしまった人々もいる。いろんなことをいつも以上に気にしながら、少しずつ、その「気にする感」を取り込んでベースにした、新しい2024年の体に調整していく。

それにしたって、2月。1月いっぱいかけて緩やかに上げていったギアを急にフルに押し込むように2月。ただでさえ日数が少ない2月(今年は閏年だとしても)。その2月のほとんどを埋めるような仕事の予定。しかもその仕事というやつが、バリバリ稼げるような類のものではなく、窮屈な予算とスケジュールの中をなんとかやりくりしたり、しきれずに遅い時間で辻褄を合わせたり、ということを余裕ない中で求められるようなそれ。まぁ自分の属している部署なり職種がそういう種類のものなのでそれは覚悟の上なのだが。チマチマやっていくことしかできない人間なのだが。それにしたって程度ってもんがあるじゃろ~という類。

そんな中。今日はネットでは『攻殻機動隊』、『笑い男』が盛り上がってましたね、僕の観測している範囲では。攻殻機動隊S.A.C.というアニメシリーズの主要な話として、「笑い男」と呼ばれる犯人、及びその事件があるのですが、劇中で事件が発生したのがまさに今日、「2024年2月1日」という設定だったので、それに合わせて攻殻機動隊の公式サイトやそれにまつわるコンテンツホルダー各社がキャンペーンを展開、と同時に「笑い男」にハッキングされていった。

登場人物たちはほぼ「義体化」しているので、義体をハックされると目を奪われる。そうして操作された視界では、特定の人物の上に強制的に上のアイコンが上書きされるというハッキングを受けてしまう…。というフィクションの物語ではあるし、実際の2024年はアニメの中ほどテクノロジーは発展しなかったけれど、それでも、AIを搭載したコンピューターが自動で人間の顔を判別すること、人間の顔や声が上書きされてフェイクが量産されていくこと、むしろ人々は喜んで自分の顔を変えていくこと…という時代の背景と精神は、アニメの世界とも妙なシンクロを感じさせるとも思う。何でも見えて、何でも聞こえるような気がする時代に、目と耳を閉じ口をつぐもうとすること・・・

『エヴァンゲリオン』と『攻殻機動隊』は95年というとんでもない年に映像として世に放たれた、絶対見るべき2大アニメだと思う。攻殻については、GHOST IN THE SHELLという最初のアニメ映画の後、押井守路線と神山健治(S.A.C.)路線が描かれ、その後2010年代にARISE、2020年からは神山健治路線としてネトフリでSAC_2045がある。すべてしっかり見届けた結果、今ではむしろ奥さんのほうが攻殻機動隊至上主義になってしまった。もともとアニメをそんな見る方ではなかったからこそ、あのハードボイルドなSF世界観に虜になったらしい。そしてその基準で他のアニメを観てしまうので、アニメ判定が厳しい。そのくらい上質なアニメであること(そして1988年の原作漫画の先見の明)は間違いないので、まだ観たことない人はぜひ見てほしい。そして他のアニメに同じものを求めないでほしい。奇跡の95年はもう戻ってこないし、革新的なSFアニメは・・・半分SF化してしまった現代ではきっと作るのが難しいから。

明日から、また寒くなるらしいです。そりゃそうだよね2月だもんね。早く義体化して寒さを感じなくなりたいですね。