オフィスの一角にある、使い古されて綻びかけたソファーに二人して腰を掛ける。すると古びたソファーはきき、と音を立てて沈んでいった。
なんか身体あつい、だなんて吐息を吐いて何の警戒心もなく男にしな垂れかかる貴方だって余程の頓珍漢だとは思わせてほしい。
幾ら頭が回っていないとはいえ誰にそんなクスリを盛られたんだとか考えないのだろうか。
隣の彼を横目で見やるとまだ顔を赤く染めて俯いている。ふとそちらに意識がいくともう他に何も考えられなくなり。
(……だめだ、)
駄目なのに。
しな垂れかかられて密着している身体やその匂い、色付いた吐息が己を欲情させて仕方がない。