「ふくい、」
普段は計算高く色気の欠片も見せないこの男の情欲に塗れた表情が己の胸を激しく叩いて止まない。
ゆるゆるとした穏やかな刺激が好きらしい彼はさぞ気持ちよさそうに目を蕩けさせて甘ったるい声を上げている。いつもはどう頑張っても勝てない彼が己の熱に抗えず行きずりになっているなっている様がひどく扇情的であった。
「あぅ...あ、ひぁっ、っは...ぅぅ...っ♡」
(……もう理性なんてないやろぉに)
あの彼がほんな情けない声をあげて自分の思うがままになっていることにどうしようもなく恍惚感に浸った。