「東京はほんと俺のこと好きだよなあ」
「ふふ、まさに大好きですよ?」
「、っはは、俺も大好きだよ」
やっとひと段落仕事を捌き終えて好きい、と抱きついてきた東京を軽くあやす。いつになく言動が素直な東京に思わず心臓が跳ねた。
やば。かわい。
何しろこの繁忙期だ。少しくらい猫吸いならぬ恋人吸いに浸っても良いだろう。
そんなことを薄ら考えながら彼の腰に手を回し抱きしめ返すと彼がへらりと笑った気配がする。
ヘルプに駆けつけようとした千葉に埼玉が呆気に取られたように顔を覗かせたまま固まっていることにも気付かずに、神奈川は惜しげもなく東京のその丹花を奪ってしまった。