「あてって案外かわいいやんなあ」
そう言いながらソファーの隣にゆっくりと腰を下ろした、己の連れ合いを見遣る。
いや、別に自分の魅力に気付いたのは無論良いことなんやろうけど。でも。
「……いきなりどないしたん?」
「えーとね、最近用事? というかお仕事で地元の高校行ったんやけどその先でなんかモテてんよ〜」
「、女子高生に?」
「んー、なんか知らんけど男子にもモテたわ。……それはともかく女子高生に丹羽さんかわいい!ってきゃぴきゃぴされて! それであーわてってかわいいんやな♡って思うて」
けらけらと楽しそうに笑う彼はきっと惚れた欲目のせいでなく傍目から見てもかわいくて。
(……他の皆もやっぱ丹波の魅力なんてすぐ気付くわな)
胸を掠めたこの気持ちの正体を己は知っているから。
「――……お前はいつでもほんま別嬪さんやで」
いかにもなんでもない風にそう言って軽く頭を撫でてやると彼は形のいい目を見開いて、どこか照れたように視線を彷徨わせて、間一秒。
「播磨、なんか今日は素直やな?」
「素直に喜べ!」