「島根、好きじゃあ」「俺も、案外広島のこと好きかもしれん」もう諦めたかのように広島がことあるごとに都度口にしてくる告白の言葉。もう言葉にされすぎて聞き飽きたほどだが、それでも己にのみ捧げてくれているこの愛だ。ようやく逃げることなく向き合おうとした己の気持ちは、それでも、形にするとほんの少し面映ゆい。「おーそうかそうか。…………って、え？」目をまんまるくしてこちらを凝視する広島の、その瞳に己のみが映っていることにひどく満足してしまった。