ふと愛を唄った和歌を耳にして、思った。(……恋ってこらほどすごいもんなんだべが)心を掻き乱され相手に属懇になり、もうそのことしか考えられなくなる。だなんて。良くも悪くもすごいものだと幼気な心の儘単純に思った。己はまだ恋の容を知らない。それを知るには、感じ取るにはあまりに幼い年齢であった。今はただ、知らないなりに自分のいつか経験するであろう細やかな恋慕の情が佳麗な薫香を纏っているものになることを願った。haj1mar徒然に