家事のリズム/生活へ課金/

菅原茉莉
·

生活、というのがあまり得意ではない。大袈裟か(笑)家事、か。洗濯や掃除、料理、やれなくはないがリズム良くできない。そのリズムをつくるために我が家にはいろいろな電化製品がある。ルンバ、食洗機、ブラーバ、洗濯乾燥機。こういう家電のCMではよく、「家事の時間を減らして家族の時間に!」「空いた時間でリラックスタイム!」みたいな謳い文句が書いてあるが、我が家はそんな素敵な理由じゃない。リズム感のない私の横で「そうそう、いいよ、できてるよー!」と言ってくれるコーチのような、仕事のできる同僚のような。

食材の宅配も半年くらい続けている。仕事に集中したら、がーっとやってしまいたくてつい帰りが遅くなる日もある。夕ご飯を作る時間に間に合わなくて、ご飯を買って帰ったり、家に食材がなんにもなさすぎて、二人分のベルのハンバーグをwoltで届けたりすることもあった。成長期の二人のご飯としていかんよなあ、という気持ちももちろんあるんだけどなんかどうもうまくいかない。あれを作ろう頑張ろうって思って買い込んだ食材が水曜になっても使われていなくて、パッとできる何かを気まぐれで作って…え、めっちゃ材料余ってる…みたいなことの繰り返しだ。そう、それで食材の宅配なわけです。いろいろコースはあるんだけど、我が家はカットされた野菜と肉、調味料がレシピと一緒に毎日届くコース。結論からいうと、すごくよい。我が家にとってはほんと救世主でした。切るところまでお膳立てしてくれてたら、二人も調理ができるから、お腹空かせて私の帰りを待つということはなくなった。栄養価も私の思いつきメニューより断然高そう。食材が残って、嗚呼・すまぬ…と思いながらゴミ箱にぽいすることもしなくていい。作ったことがないものにチャレンジできる。週5日頼んで、食事のリズムをなんとか整えて、先月週4日、今月は週3日にした。生活の中で料理をする時間、一緒に食べる時間っていいなあ、っていう気持ちを自分の毎日の中でちゃんと実感すること。じゃないと楽なお惣菜や外食に逃げやすくなる。課金ってこういうためにしたらいいんだな、と思ってます。掃除も料理も洗濯も、生活のリズムをいい感じで奏で続けるのって私にはとても難しいから、食洗機と洗濯機とルンバの音が重なる部屋でパソコンカタカタやりながら、生活をリズム良くやっていくって心地いいし自分の背骨を強くしてくれる、新しいことにもチャレンジしてみよっかな!というふんばりが効く足腰を作ってくれる。そういうありがたさをしみじみ享受しながら、ふと「無課金でやれる人もいるんだよな」とよぎったりもする。

うちはうち、よそはよそ。私の幸せは私(と、たくさんの家電のお世話になって)が作るんだ。

@hajimari
聞き書きと写真/日記/おしゃべりの採集/twitter: @haledays