ステージ/素直さ/サイン/握手

菅原茉莉
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ひとつは半年ほど、もうひとつは1ヶ月ほど、進めてきた仕事が今日終わった。わたしももっと、聞いて書いて撮ろう、と、ステージに立つ人たちの演奏や演技に費やしてきた時間がちらりと見えるたび、勇気をもらうようなきもちだった。

「もっと」とさっき書いたのだけれど、「もっと」と、「ちゃんと」が日記やメモを読み返すと結構あるなあという時期があって。そんなにさ、いいんだよ、A型気質を発揮しなくても。と思ったりする。

今日話したダンサーの方、笑顔と、話す声と、身振り手振りがすっとまとまっていて心地よい空気の方だった。最近、いいなと思う人はみんな素直だ。体と心、口、目、同じ色だと、とても安心する。自分もそうでありたいね、感じたことがすっと染み込む素材の体でありたい。

わたしは人からサインをもらう、ということをしないようにしているのかもしれないな、と今回の仕事で思った。サイン、というのは捕まったときにする署名みたいな残念なシチュエーションの、ではなくて、憧れの人、芸能人、本の著者、アイドル、などなど。サインを求めてしまったら、わたしとあなた(そのあなたがどんなに著名だったとしても)の関係性がどちらかに傾いてしまうような気がするのかもしれない。いや、ちがうかな、わたしがよくばりなだけかも。ファンとの関係以上に、わたしの前ではくつろいでいてほしい、きどらずにいてほしい、そういうリラックスした姿をみせてほしい。そんなふうに思うから?えー、すごい欲張りだ(笑)

昔ホテルに勤めていた時に、「VIPには親しい友人のように接する、リーズナブルな部屋のゲストにはVIPのように接する」と新人時代に教わった。もとからの性格もあると思うけど、接客業をしていた時間の影響は大きそうだ。

あ、サインはおねがいしないけど、「また会いましょう」と差し出してもらった握手の掌は、とても嬉しいものだった。ごしごしごしと服で手をふいてから両手で握手を返したら、「あったかいですね」と言われて、えへん、とおもったよ。

@hajimari
聞き書きと写真/日記/おしゃべりの採集/twitter: @haledays