家族から久しぶりの電話、あまりよくない知らせだった。まだ悲しくもないし、ふわふわしているが、その周辺のワードを耳にするとびくっと心臓が揺れる。これが動揺か、ほんとうにゆれるのか。やりたくないことをやっている時間なんてまじでないもんだな。夜、眠れないかもしれないからと久しぶりに装着した蒸気でほっとアイマスクの下で瞼がめらめらした。スコンと眠れた。
フルマラソンを走った昨年の秋、なんでかわからないけど左足の親指人差し指の爪が内出血して、色が変わってしまった。あるあるなのかな。ペディキュアみたいでいいなと思っていたら数日前べろっと「旧」爪がはがれた。人差し指のほうは完全に取れて、頼りないうすーい爪がくっついてる。親指は抜けかけの歯みたいにぐらぐらしつつも、引っ張ったら痛い、でもなんか気になるんだけどという絶妙な塩梅。
美味しい料理を作る人といくスーパーは楽しい。手に取るもの、じっと見るもの、金魚のなんとかみたいに後ろをひっつきながら観察していると、今私の手に届く場所にはこんなにも美味しいものがあるのか、と、幸せな気持ちになる。「あ、菊芋だ。ポタージュにするとおいしいんだよ」友人のきらきらした声。切って、茹でて、ガーッとするんだという手順の説明のラフさに、はじめて「菊芋」を購入。芽をとれば皮はむかなくてもいい、という言葉を思い出しながら芽をとる。じゃがいもよりも突起、というかんじ。星の王子さまの絵本の中にでてくる小さい火山みたいな。しゃり、しゃり、と細かく包丁を動かしながら芽をとっていく。取り終えて山になったのをみたらちょっときもちわるかった。いそいでビニールに入れて口をきゅっとしばる。玉ねぎも切って、鍋に入れ、ひたひたの水で茹でる。調味料を加える前の、何かを煮ているときの香りがすきだ。「わたしの生活」がふわふわと部屋の天井の隅までをうめつくす。菊芋にはイヌリンという成分が入っているそうだ。いぬりん。めっちゃかわいい。ネコリンもついでに入ってて欲しい。
息子と娘とわたし、3人の身長を壁に画鋲を刺しているのだけど、今日ついに、息子の画鋲が私の画鋲に並んだ。164センチ。「お母さんは背が伸びていないから」と娘に言われ、ムキになって昨年の健康診断で1センチ伸びていたことを力説。フリーランスの友人と、私たちはもっと仕事や生活を見直す時間を作らないといかんのじゃないかという話をしたのを思い出す。背はもう伸びないかもしれないけど(伸びるかもしれないけど)自分、家族、友人が心地よい時間をすごせるように、そういう努力はし続けたいよね。
あ、今日の岩手山、かっこよかった。