船を漕ぐ/腕まくり/焼肉冷麺/not生返事

菅原茉莉
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小さく、ぽろりと誰かから落ちた一言から、いろいろ勝手に膨らませてしまって、とんでもなく遠いところへ出航する悪い癖、ちょっとなんとかなりませんかね、わたし。体調や天気、自分の余裕いろんな波に流されながら遠く遠くまで行ってしまう。自分がもし、ぽろりの一言の持ち主だったら「おいおい、そんなに遠くへ漕いで行く前に聞いてくれよ」と言いたくなると思う。笑っちゃうかもしれない。あ、でも笑ってくれるというのは救いだなこういうとき。誰だったかな、歌詞に「笑い飛ばしてくれてどうもありがとう」というフレーズがあったんだけど、遠くでぽつんと船にいて、勝手に落ち込む私になにか声をかけてくれるのだとしたら、「なんでそんな遠く行ってんの!」と笑い飛ばしてほしい。ホッとする。たぶん我に帰る。で、ゆっくり戻ってくる。

こういうことを頭に描いていると「声をかけてくれる誰か」ではなくて、ほんとはセルフでそんなやりとりができたらいいとも思うのですけど。

今日はサラサラと砂のような雪がたくさん降った。除雪車、大きい音でガーガー走ってた。腕まくりがみえるような、音。

月末のあれこれがぐわっときて、忙しい日。ランチ、hacotokiのメンバーで一緒に食べた。顔を見ると言いたかったことを思い出したり、言わなくてもいいことも言ってみたりできるのがいい。特に言わなくてもいいことを言う、というのが大事な気がする。言わなくてもいいことは、言いたかったことの外側の円でかならずしもマストではないのだけれど、そこを伝え合える場は外側の円同士が重なって重なって、だんだん色が濃くなって、それがなによりいいんだと思う。

嬉しい偶然があった、昨日「じゃれわんのルールを教えて!」と電話をくれた方と街中でばったり。少しの間一緒に展示を見て回った。生返事というか、上部の適当な「いいですね」を言わない方だなあと思った。違うと感じたことも、できないこともさらりと伝えてくれる。こんなふうな大人になっていきたいな。かっこいいなと思う方だった。

@hajimari
聞き書きと写真/日記/おしゃべりの採集/twitter: @haledays