絵、子供のころ描くの好きだったのに、今描きたいなという気持ちはあっても、なにかが邪魔して気持ちよく描けないことが多い。色を塗るのは少し、ほんの少しだけましで、顔彩やドローイングインクを使って、紙の上に色を置いたりのばしたりしている。でも、うまく見せたいという気持ちというよりも、なんだか非難されているような心持ちにばかりなるのが、私にとって絵の世界なのだ。写真は非難してくる人も少ないし、いたとしても知ったことではないと言えるのに、絵はやっぱり、やっぱり自分は駄目なんだ、というこどもに戻ってしまう。色も。全然わからない。何色でもいい、どんな風に塗ってもいい、そんなことはわかってるし、そんなやさしいことばも世の中にありふれていることも知っている。けれど、自分が絵に接するとき、他人のそんな言葉が居られるほどの場所がこころのうちにないのだ。だからいつも怯え、頭を抱えるようにして、実は絵をかいている。