貯本

hal9777
·

NHKの100分de名著のリチャード・ローティ回を見て、指南役として登場していた朱喜哲さんをリストに入れていたら、氏の博士論文を基にした『人類の会話のための哲学 ローティと21世紀のプラグマティズム』の献本キャンペーンをちょうどやっていて、軽い気持ちで応募したところ運良く当選し、それが今日届いた。

パラパラと見たが、ローティの布置含めプラグマティズムを知る上で良さそう。

これを頂いて、渡辺幹雄『リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師』もずっと積んだままだったのを思い出したので、折を見て併読したい。ローティの『偶然性・アイロニー・連帯』も積んだまま。

そもそもプラグマティズム自体が、どんな議論があるのかすらよく知らないのだが、デリダらの脱構築と対立している印象がある。まあそれもシャンタル・ムフ編の『脱構築とプラグマティズム 来たるべき民主主義』をちょろっと読んだだけのものなので、こちらも読みたい。

どうやらローティは西洋哲学における「真理」の探求自体を批判しているようだが、その点は脱構築とも共通しているが、どう関係するのだろうか。また真理の話は、今読んでいるJean-Luc Nancy "The Sense of the World"でも取り上げられているので、意識して読んでいこう。

それにしても、関心のあるテーマを読んでいると、それらが枝状に分岐して様々なところで繋がりを見せるので読書は面白い。

そういえば、こんプロでは「積読」が消化されるべき負債としてネガティブイメージを喚起するので、貯蓄としての本「貯本」と言い換えていたが、それに倣えば、私の貯本を見るとなかなか裕福だなあなんて思う。

@hal9777
「誰でもよい、だがほかならぬあなたとともに生きるための言葉を投げつづけなければならない。」伊藤潤一郎『「誰でもよいあなた」へ ― 投壜通信』(p.146)