小出祐介氏が度々触れている、サブスク配信での「ラウドネスノーマライゼーション」の影響をようやく身を持って体験した。
小出:[...]各種サブスクリプション、Amazon MusicとかSpotifyとかApple MusicとかYouTubeとかで音源がアップされる際、ラウドネスノーマライゼーションっていうのをされるんですけど、すっごく簡単にいうと、音圧が高いものは音量を下げられるんですね。各社基準は異なるようなんですけど、曲のレベルのばらつきをなく聴かせるために。[...]日本のバンドとかアイドルの多くは、CDと比べると7~8dBくらいは下げられてる。
きっかけは今日配信された山根綺さんの1st EP「青春のかなしみ」。
全体的にサウンドがのっぺりしている。というよりも、音自体は詰まっているのだが、音像がかなり平坦になっているというほうが正確だと思う。
さらにこのラウドネスノーマライゼーションというのは、低音よりも中高音域で引っ掛かりやすいらしい。つまり、バンドサウンドで言えばギターが一番影響を受ける。
実際、このEPでも音数が多いパートになると(特にギターは)途端に埋もれて聴こえてくる。いや、パンニングもされていてサウンドもフレーズも聴こえているのだが。何とも言葉では表現しづらい。音の粒立ちが悪いというか。一番影響がわかりやすいと思うのは、最後の曲「第五準備室」のギターソロ。おそらくファズを使っているのだが、迫力がびっくりするくらいない。もったいない。
収録曲自体はインディー・ロックっぽいのもあったりして、懐かしい感じの邦ロックだなあと思う。YouTubeでやってるYAYA RECORDSのカバー曲は趣味が違って微妙にハマりきらないけど、オリジナル曲のほうの展開は楽しみにしたいし、MIXは頑張ってほしい。
それはそうと、最近は各所でカバー動画が上がっているが、あれには何の意味があるのだろうか。別に取り立てて意味なんてなくて、ただのプロモーションなのかもしれないが、私が歌とそれを歌う人に意味を求めてしまう人間なので、ただ歌うだけのそれをあまり好きになれない。