昨夜は22時で上がれた彼氏が行ってもいい?と連絡をくれたので家に招いた。正直先日の飲みのおかげで寝不足だったが、会いたかったのでありがたかった。仕事は板挟みのことが多かったので話したかった。話したいことがたくさんあったので、家に来るなり昨日あったことを全て話した。
同期とうまくやれてないこと、先輩がしっかりやられてたこと、それをはげますために夕ご飯に誘ったこと、新卒への立ち回り、同期と二年目のお世話に疲れたこと。気にしないように努めてたつもりだけど、やっぱり態度に出ちゃうし口調や仕草から私の不満は同期の彼にも伝わっていると思うと彼氏から言われた。それもそうだと納得することも多く、話してよかったと思った。
私の会社にはメンター制度があるので、私には私のメンター、彼氏には彼氏のメンターの担当がある。新卒は4人いるので各々気にかけないといけない子がいる。彼氏のメンターはいま私が直属で面倒を見てる。何かあったら伝えるようにはしてるけど、やっぱり通常業務に加えてのことなので彼氏もそこまで関与できない。そうなると私と他の若手の3人の協力は不可欠になる。最近の同僚は頼りないので、結局気づいた人が新卒の面倒を見ることになる。その、結局気づく人が、先輩か私の2人なので困っている。新卒に加えて同期と2年目のフォローまでしてられない。そうなると抱え込まざるを得ないのがきつかった。どうしたらよい方向に流れるのか、考えて発信しても次の日にはまた同じようなミスを見ては、むなしい気持ちになる。同期なら相談してやりたいのに、なぜ注意しなきゃいけないんだろう。
正直結構参ってたので、彼氏に話しながら今日は泣かなさそうだと思ってたのに結局少し泣いてしまった。あまりに相談のレベルが低い。そんなことで悩むくらいなら、仕事のひとつでも覚えたいのに。先に進みづらい今の状況で、次へ次へと仕事をとるにも順番がある。それをこなすうちに、嫌気が差した。私がやりたい仕事の精度とはかけ離れてるからこそ、どんな言葉をかけても無駄な気がした。
だんだん話してるうちに彼氏の顔つきがどんどん暗くなっていってるのに気づき、こんなことで悩んで申し訳ないなと伝えた。彼氏にできることは限られてるし、動けると思って相談したわけじゃなかったから。「何もできなくてごめん。俺の立場からできることが少なすぎる。ほんまにごめん。」とぽつりぽつりと告げられた。何度も何度もごめんと言われて、顔が見えないように抱き寄せられて、「1番大事やから。やからそんなつらい思いしてほしくないし、そんな顔させるやつも許せへんし、そんな顔してまで働く必要ない。俺にもっと金があれば今すぐやめろって言えんのに。」
肩にうずくまる形で彼氏の顔があったので、体勢を変えようと動いたら顔を上げんとする意思が見えたので目線を配ったら、涙目になっていた。基本的に他人のために涙を流さない人だと思ってたので本当に驚いた。「もっとさ、お金持ってるやつとか、かっこええやつ見つけたらさ、俺のこと捨ててもええから。」と言われ、なんでそんなさみしいこと言うの?と聞くと、「お前やったらもっとええやつがおる。」と言われた。もし彼氏が言うようなええやつ、おったとしても別に選ばんしそんなこと思わんでくれ、と思った矢先に、「こういうこと言ってもフォローさせるだけやってわかってんのに。ごめんな。」と先回りして言われてしまった。お金がある人でも、あなたよりかっこいい人でも、あなたより好きな人はいないのに。優しいから好きになったんじゃないよ。かといっておもしろいから好きになったんでもないよ。価値観だってなんだって、合わせたいと思えるような人だから好きになったんだよ。タラレバできっとこうだったら好きになってないって、馬鹿にすんなよ、どんなだってきっと、出会えてたら好きになってるよ。
彼氏と付き合ってからまだ3か月も経ってないけど、同期としてでは見れなかった面が最近見れるようになった。それはすごくうれしいことだ。私が思ってたより、思考の海に潜れる人だった。私は何にでも裏付けを考えてしまうから、なんとなくで片づける人があまり得意じゃない。だからこそ、彼氏は私より頻度は少なくても、思考の海に潜ってじっと動かず息の音も止め、つらいことがゆっくり過ぎ去るのを待つように目をつむる。初めて彼氏が私の前でBADに入ったとき、不謹慎だけどこの人のこと好きだなぁと再認識したのだ。優しさとは想像力だと誰かが言っていた。彼の優しさは、想像力と感受性だ。
なるべく一緒に居続けたいから、彼の優しさは見逃さないようにしたい。こんなに大事にできる人って初めてかもしれない。今まで、大事にしてると思ってたのに腐ってしまっていたり、実際相手方からしたら有難迷惑な大事の仕方だったり、とにかく、大事にするっていうのは私だけの行為ではない。受け取る相手方がどういう風にとらえるかによって、私がした行為は大事にできたのか答え合わせすることになるのだ。
だからなるべく、彼氏が大事にされてるなと感じられるように大事にしたい。今に限った話じゃない。これから一緒にいるために、大事にし続けたいんだ。そう思える相手に出会えたこともだし付き合えたこと、本当にラッキーだ。この人の好きな人になれて、本当にラッキーだった。友達でも恋人でも仕事の人でもそういう風に思える人はほんの一握りしかいないと思う。両手で持てる分だけでも、そういう人たちを大事にし続けていきたいな。
KIDS/星野源