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出勤でもないのに6時半に目が覚めた。雨の匂いは家には移らないけど、雨の日の明るさだった。少し眠いような気がした、それでもなんだか寝てられない。寝てられない日はたまにくる、朝勤のときにはない身体の重さ。無理やり体を起こし寝癖を確認し、彼氏の頭を撫で布団を出た。昨夜迎えたシロクマのぬいぐるみを身代わりに抱きしめさせ、冷蔵庫にあったオレンジを剥いて煮詰め、パウンドケーキを作った。分量外で胡桃やアーモンドを入れ、簡単なキャラメルを入れた。残り物と雑念をそのまま混ぜたようなケーキは思ったより綺麗な色で焼きあがった。ほかほかのケーキはしっとりしていておいしい。フレッシュのフルーツを入れて作ると日持ちしない、でも人にあげるにも近くの人が全員調理職なため懸念される。美味しくないわけじゃないんだけれど。

ちょうど焼き上がるタイミングで彼が目を覚ました。起き上がり右手を上げ、よ、といった感じの朝の挨拶。少し嬉しい。おはよう、と声をかけ布団に戻る。お腹が空いてしまったので、朝マックのデリバリーをおねだり。私は好きな人と食べる朝マックが何よりの贅沢だと思っている。生活の中のラッキーに近い。2人で布団にくるまりながら注文、30分足らずで到着。もしゃもしゃ食べた後、また布団へダイブ。11時まで昼寝。なんだろう、したかった生活ができた感じ。夢だったことが叶ったくらい、幸せな時間だった。1人で叶うことでは無いから、続くように努力しよう。

彼氏を送り出してから会社の元先輩とランチ。そのお店には会社の先輩がバイトしてるので、すごくいいお肉を食べさせてもらった。親知らずがずっと痛くて食べるのが遅くて申し訳なかった。積もる話が沢山あったので、およそ4時間喋り倒し解散。相変わらず容姿も中身も綺麗な人だった。彼女の人生の端に関われたことが嬉しかった。2ヶ月遅れの誕生日プレゼントを貰ってしまい恐縮した。私はまだ渡してないのに、本当に無礼者で情けない。3つも貰ってしまった、お店ではプレートまで出た。もうなんか、情けないより申し訳ない。こういうことが出来る大人になりたい。

夜は小学校からの幼なじみと会った。今日1日で大事な人たちに会いすぎた。幼なじみに会った時点で体力も残り2割、集合して2時間ほどで解散した。でもその気軽さがありがたい。10年来いつも通りダラダラ喋って終わり。過干渉にもならず、かと言って何も知らないわけじゃない近さが心地よい。

雨で疲れきって電車の中、足元のヒーターが私の睡魔を連れてくる。ウトウトしながら日記を書いていたら最寄り駅の1駅前にもう着く。楽しかった今日、明日はまた仕事、でも前向きになれそうだ。話すことは力になる、会う約束は励みになる、思い出は糧になる。どれも素敵なことで、当たり前に享受していいものじゃないね。

アイデア/星野源

@hal_sml
生活